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製品、半製品、原材料、仕掛品

製品勘定の内容

製品の受払いおよびその残高を処理します。
工業、鉱業、その他商業以外の事業を経営する企業が正常な営業活動(営業過程)において、販売する目的で所有する製品その他の生産品で、企業の主目的にかかるものを、製品としてこの勘定で処理します。
製造工程がいくつかの工程から構成される場合は最終工程まで終了したものを製品としてこの勘定で処理します。

【仕訳例】

※ 決算日に期末在庫高を計上する場合

(借方)  製品  ○○○○  (貸方)   期末製品棚卸高 ○○○○

※ 期首に振り替える場合の仕訳

(借方)  期首製品棚卸高  ○○○○  (貸方)   製品 ○○○○ 

【税法上の取り扱い】

※ 小規模の製造業で原価計算を行っていない場合、半製品や仕掛品については製造工程に応じて製品の販売価額の何%という評価でも売価還元法として認められる。

※ 製造した棚卸資産・・・・低価法を用いた場合の期末時価は下記の方法によります。

自社が製造した棚卸資産の時価は下記の積上げ法による。ただし、事業規模が小さく、原価計算制度がなく、積上げ法によることができない法人は、継続適用を条件として控除法によることが認められています。

積上げ法

期末にその棚卸資産が製造されたと仮定し場合の製造原価の額と、これを消費し、または販売のために直接要する費用の額との合計額を、その時価とする方法です。

控除法

期末に通常取引される棚卸資産の販売価額から通常の一般管理費販売費および利益の額の合計額を控除した金額をその時価とする方法。この場合利益の額の算定が困難な場合は、販売価額の5%として計算します。

 

半製品

半製品勘定の内容

半製品は、中間的な製品としてすでに加工が終わり、現に貯蔵中の販売可能なものをいいます。半製品は最終生産品である製品や販売することができない仕掛品と異なります。
直接的な販売目的の資産:・・・・そののまま販売することを目的として所有するもの。
消費目的の資産:・・・・・・・・・・・・次の工程以後の工程へまわす目的で所有するもの。

【仕訳例】

※ 期末(決算日)に在庫高を計上

(借方) 半製品  ○○○○ (貸方) 期末半製品棚卸高  ○○○○

※ 期首に振り替える場合の仕訳

(借方) 期首半製品棚卸高  ○○○○ (貸方)  半製品     ○○○○

 

原材料

原材料勘定の内容

製品の製造過程で消費され、製品そのものを作る主要材料で、まだ使用されていないもの。
原材料を広い意味で分類すると下記のようになります。
素材(主要材料、補助材料)、部品(購入部品、自社製部品、外部部品)、工場消耗品、燃料、消耗工具器具備品等

【仕訳例】

※ 決算日に期末在庫高を計上

(借方) 原材料  ○○○○  (貸方) 期末原材料棚卸高  ○○○○

※ 期首に振り替える仕訳

(借方) 期首原材料棚卸高  ○○○○ (貸方) 原材料   ○○○○

 

仕掛品

仕掛品勘定の内容

製品、半製品、自社製部品を製造のため現在、加工中(仕掛中)のものをいいます。
※ 仕掛品と製品、半製品との違い
製品、半製品は、販売可能で貯蔵している状態です。仕掛品は、加工中のもですから販売や貯蔵はできないものです。

【仕訳例】

決算日に期末仕掛品在庫高を計上

(借方)仕掛品

○○○○

(貸方)期末仕掛品
     棚卸高
○○○○

期首に振り替える仕訳

(借方)期首仕掛品
     棚卸高

○○○○

(貸方)仕掛品 ○○○○

※ 総合原価計算による仕掛品の棚卸方法

製品の原価を算定するには、期末仕掛品原価を計算する必要があります。これは、仕掛品を資産として評価するということです。
完成品原価の算式はかきのとおりです。
(期首仕掛品原価+当期製造費用)−期末仕掛品原価=完成品原価
完成品原価を正しく計算するには、期末仕掛品原価の計算が重要で、合理的に行われることです。
総合原価計算では、製造原価を、通常、直接材料費と加工費に区分して計算します。期末仕掛品原価の計算も同様です。加工費は、製造費用から直接材料費を除外した残りで、間接材料費、労務費、経費です。
期末仕掛品原価の計算法には、平均法、先入先出法、後入先出法があります。一般的には、平均法、先入先出法が多く用いられますので下記に説明します。

平均法

期末仕掛品
直接材料費
(期首仕掛品直接材料費当期直接材料費) ×

     期末仕掛品換算量     


完成品数量+期末仕掛品換算量

平均法は、期首仕掛品原価と当期製造費用の合計額を、平均的に完成品と期末仕掛品に配分する方法です。

期末仕掛品換算量は、完成品一単位に含まれる直接材料の数量に対する期末仕掛品一単位に含まれるその直接材料の数量の比率(%)をその仕掛品の数量に掛けたものです。

期末仕掛品加工費

(期首仕掛品加工費

当期加工高)

×

       期末仕掛品換算量        


完成品数量+期末仕掛品換算量

加工費計算においての期末仕掛品換算量は、期末仕掛品の完成品に対する仕上がり程度、加工作業の進歩度(%)をその仕掛品の数量に掛けたものです。

先入先出法

前期からの繰越された仕掛品に、当期の作業が行われて完成品になり、当期に新しく始めた加工作業の一部も完成品になり、他の一部は仕掛品となるとする考え方に基づいて、完成品と期末仕掛品とに原価の配分を行う方法です。

※ 個別原価計算の場合の仕掛品の評価

個別原価計算は、全部、製造指図書によって製造が行われるので、月末に完成していない製造指図書の原価の合計額は、期末仕掛品残高を示し、製造勘定の月末残高と一致します。

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