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2級仕訳編 その他3

試用販売・予約販売 

試用販売は得意先へ商品を送付し、得意先(相手方)がそれを試用または検査してから購入の意思決定をしてもらう販売です。試用販売は、商品を得意先へ送付した時点ではまだ売上が発生したわけではないので、対照勘定{(借方)試用品(貸方)試用仮売上}を用いて備忘的に記録しておきます。得意先が購入の意思を示した時に、商品の売買取引成立となります。この時点で売上計上し、先に備忘記録のために仕訳した対照勘定を反対仕訳して消滅させます。
予約販売は、前もって商品の予約販売の契約を交わし、後日に商品を引き渡す販売です。通常、予約販売契約の時点で予約金を受け入れるが、予約金を受け入れた時点で売上計上はせず、予約販売の商品を引き渡した日に売上計上します。

【例】

1. 得意先に試用販売目的で、商品¥180,000を送付した。

2. 得意先から上記商品について、買い取る旨の通知があった。

3. 1か月後に商品を引き渡す条件で商品¥300,000を売り渡す契約を結び、予約金として¥50,000を現金で受け取った。

4. 上記予約した商品を引き渡し、残金を現金で受け取った。

(仕訳)

1.(借方) 試用品

180,000

(貸方) 試用品仮売上

180,000

2.     売掛金

180,000

     売上

180,000

      試用品仮売上

180,000

     試用品

180,000

3.     現金

50,000

     前受金
  (予約販売前受金)

50,000

4.     現金

250,000

     売上

300,000

    予約販売前受金

50,000

●参考

1. 得意先に試用販売目的で、商品を送付したときは、(借方)試用品(貸方)試用仮売上 の対照勘定を用いて備忘記録します。
対照勘定とは別の仕訳記録方法として下記のような方法もあります。
   (借方) 試用販売商品 180,000  (貸方) 仕入    180,000
上記の仕訳法によって記帳されているときは、購入通知があった時点で反対の仕訳をします。

 

営業権

営業権(暖簾)は、法律上の権利ではありませんが、ある企業が、他の同業種の企業よりも高い収益力を持つ場合、その収益力を生む原因となるものを営業権といいます。営業権は他の企業を買収や合併などの有償取得した場合に限って、資産として計上できるものです。
営業権を計上したときは、商法の規定によって、取得後5年以内に均等額以上を償却することになっています。

【例】

東京産業株式会社は支店を開設するために、それまで大阪商店が営業していた店舗を買収し、この代金¥12,000,000を小切手を振り出して支払った。なお、この店の資産は建物¥4,000,000、土地¥4,000,000 商品¥2,000,000、負債、買掛金¥1,000,000と評価された。

(仕訳)

(借方) 建物

4,000,000

(貸方) 当座預金

12,000,000

     土地

4,000,000

     買掛金

1,000,000

     商品

2,000,000

     
     営業権

3,000,000

●参考

買収した大阪商店の総資産額は¥10,000,000、総負債額¥1,000,000です。しかし、支払額は¥12,000,000です。これは大阪商店の営業権を認め¥3,000,000を支払ったと考えられます。この額を営業権勘定(資産の勘定)の借方に記入します。
営業権の計算:
買収価額¥12,000,000−純資産額¥9,000,000(引き継いだ資産総額¥10,000,000−引き継いだ負債総額¥1,000,000)=¥3,000,000(営業権)

 

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