英文レターには、一定の慣用形式があります。手紙を受け取った人はその書式を念頭において文章を読みますから、変わった配列で書いてある手紙は、読む人を混乱させることになります。肝心の手紙から注意をそらせるので不利です。できるだけ慣用の書式に従って文章を書くのがよいでしょう。電子メール、
FAXでも、この慣用形式に従って文章を作成することをお勧めします。
ビジネスレターも個人のレターも基本的な書式には、大きな差はないと考えますが、ビシネスレターでは、レターヘッド(社名入り便箋)を利用します。レターヘッドが無い便箋では先方に不信感を与えてしまいます。ビジネスでは、レターヘッドの使用が一般的です。
最近では、タイプライターで打った手紙を外国から受領することが少なくなりました。このことは、パソコンが普及し、レターヘッドにタイプする場合にパソコンが利用されるようになり、誤字脱字の防止、タイプミスには大変便利になったからだと考えます。
税関の通関時によくチェックされるインボイスやパッキングリストをレターヘッドの用紙にパソコンで書かれているものも近年では普及してきているのではないでしょうか。私は、実際に7年ぐらい前からパソコンで書かれた上記書類を受領するようになりました。
現在、ビジネスレター様式のタイプスタイルは、ブロックスタイルが主流です。私が返事を頂くレターすべてこのスタイルで書かれています。インデントスタイル、セミブロックスタイルは現在ほとんど利用されていません。
下記に、個人のレターで用いるブロックスタイルについて説明を記載します。
@Return
Address(自分のアドレスと名前)
ADate(日付)
B先方のアドレス(Inside
Address)
CAttention(気付)
DSalutation(拝啓)
EBody(手紙の本文)
I
would like to know if you accept orders from Japan by
mail.
If
you do take orders, I would also like to know the charge
for obtaining a copy of your latest catalog including
postage and handling charge, if any.
I
am looking forward to hearing from you.
Thank
you in advance.
FComplimentary
Close(敬具)
GSignature(サイン)
|
@Return Address(自分のアドレスと名前)
個人の手紙ですから、商業文のようにレターヘッドを使わないで白紙用紙を使って書きます。自分の名前、住所を英文で@の位置にタイプします。自分の名前の前に男性は、Mr. 女性は、MissやMrs.をつける場合とつけない場合がありますが、英語圏の人は、日本人の名前を読んで男性と女性の区別がつかない場合が多いのでつけるようになったようです。実際私の例文(個人輸入の手引)では、つけている場合と、そうでない場合とがあります。しかし、原則は、つけると考えてください。
E-mailでReturn
address を書く場合は、左詰から書くのが一般的です。(@からGまでの項目も同様です。全て左詰から書く。)
私が受け取ったメール全てそうです。また電子メールでは、署名を自動的に入力できますので、Gのサインの下に、Return
addressを記入されている場合もたくさんあります。
A手紙の日付(Date)
アメリカ式の書き方は、日付を略さず、July
3, 2003のようにフルに書きます。Jul.3,03のように略して書いたり、数字だけで7−3−03のように書くのは避けてください。ただし、手紙の本文の中や、メモ、Faxでは、略して書いたり、数字だけで書かれている場合もあります。
イギリス式では、10th
July,2003と書きます。または、10/7/03と書くことがあります。ただし、数字だけでは、アメリカでは、10月7日を意味するので、混乱のないように略さずに書いてください。
日付のタイプ位置ですが、最近では、左詰から記入される場合がほとんどです。日付の位置も、先方のアドレスをタイプする上部に入力されている手紙がほとんどです。
Bの次に右端にタイプする場合もあります。(この場合は、Aの位置に日付タイプはありません。)
私の例文では、この位置にタイプしています。この位置に日付表示があると、個人的に申し上げますと、日付が見やすい と思っているだけです。
B先方のアドレス(Inside Address)
このInside Addressも、Return
addressも、封筒に書いてあっても手紙から省略しないで下さい。また、電子メールで書く場合でも、省略せずに書きます。
欧米では、手紙の開封と同時に封筒を廃棄するのが一般的になっています。
宛名の会社名にToやMessrs
(Mr.の複数形)を冠する必要はありません。
CAttention(気付)
先方の交渉相手の名前がわかっている時は、記入してください。アドレスから1行あけて、書いてください。
(例: Attention: Mr. John H. Smith,
General Manager)
Attention は、Attn.と略してもよいことになっています。
相手の名前は、略さずフルネームで書きます。その前に、Mr.
Mrs. Miss. Ms.などの称号を冠します。男性は、未婚、既婚を問わずMr.を冠し、女性は、既婚者にMrs.を、未婚者にはMiss.を冠します。MissかMrs. か不明であれば、Miss.をまず使用することが望ましい方法です。もし、間違っていたら相手の方が訂正してくれるはずです。Ms.は既婚、未婚を問わず使えますが、ウーマンリブ以外でこれを嫌がる人もいるようです。外国の人の名前で、見慣れない名前で、男性、女性の区別がつかない時は、ひとまず、Mr.を冠しておくのが慣例です。
個人名を書かずに会社宛てにするのは、できるだけ避けます。個人にあてるか、個人名が不明の時は、役職名(Export
Manager, Office
Manager,)を書きます。また役職名もわからない時は、会社名だけでも結構です。
個人名を書かずに会社宛てにすることをできるだけ避ける理由としては、@手紙を注意深く読んでもらえる、A返事を早くもらえる ことが大きな利点です。
名前に役職名を記載する場合に、全体が短い場合はコンマで区切って1行に書きます。長くなる場合には、2行に書くようにします。
(例:
Mr. John H. Smith
Office Manager
Department
of International Sales
DSalutation(拝啓)
一行あけて書きます。インサイドアドレスでは名前をフルネームで記載します。ここではラストネームのみでDear
Mr. Smith としてもよいことになっています。Dear
Mr. John H. Smith と書かないのが一般的です。
Attentionを記入した場合には、ビジネスではGentlemenとします。Salutationの後には、アメリカ式として、正式な場合はコロン(
: ) を、くだけたときには、コンマ(
, )をつけます。
Attentionを記入する場合又は記入しない場合どちらでも、ビジネスの場合には、Gentlemen:を用いれば、世界共通で利用されています。
Gentlemenは、アメリカの会社宛てビジネスレターでは一般的ですが、単数のGentlemanは用いません。Dear
Gentlemen もありません。
私の例文では、Dear
Sirs, を用いています。このSalutationは、イギリスで会社あてビジネスレターの最も一般的な言葉だからです。ただし、DearなしでSirsのみでは使いません。
EBody(本文)
DSalutation(拝啓)から1行あけて書き始めます。
本文は、左詰から書き始め、シングルスペースで書きます。パラグラフを変えるときはダブルスペースあけ、左詰から書き始めます。
FComplimentary
Close(敬具)
1行あけて書きますが、最近では、左詰から書き始めるのが一般的になりました。私どもの例文を参考にしてください。また、手紙の書き始めの 拝啓 と終わりの 敬具 の表現が同一のレベルである語を用います。私は、Best
regards, を用いています。
Gサイン(Signature)
FComplimentary
Close(敬具)から4行ぐらいあけて名前を書きます。その上に署名します。
最近では、左詰から書くのが一般的になりました。
タイプした名前にMr.などの冠を書かないで下さい。サインは略さずにフルネームで書きます。個人輸入でも自分の名前はフルネームでサインしてください。
T. Okudeのように略記するのはビジネスレターで時々見られます。
Okudeとのみサインするのは、失礼です。爵位を持った人のみに許されるルールです。