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販売費及び一般管理費2

役員報酬、事務員給与、従業員賞与、退職金、減価償却費、地代家賃修繕費

事務用消耗品費、通信交通費、水道光熱費、租税公課、寄付金

●役員報酬勘定の内容

定款または、株主総会で定められた範囲内で支給される取締役、監査役の報酬を処理する勘定です。

役員報酬と監査役報酬を区分してそれぞれ決議し、その内容を定款に定めていない場合には、株主総会の決議をもってこれを定めます。

監査役が2人以上のときは、株主総会の決議の範囲内で監査役会において協議し報酬を定めます。

【例】

※ 常勤役員及び非常勤役員の報酬

株主総会で総額を決定し取締役会または、監査役会で各役員の報酬額を決定します。そして、原則として、期中の増減変更は、しないことにします。

※ みなし役員(登記上の役員ではないけれども経営の枢機に参画している親族(例:経営者の配偶者等)に対する報酬

※ 損金経理の役員賞与(使用人兼務役員の役員賞与を含む)については、従業員賞与勘定で処理します。

※ 役員退職金は、別途勘定を設けて処理します。

【仕訳例】

※ その月分の報酬を月末に支払った場合いの仕訳

   (借方) 役員報酬     (貸方) 法定福利費  (社保、雇用保険)
   (借方) 役員報酬     (貸方) 預り金      (源泉税、住民税)
   (借方) 役員報酬     (貸方) 当座預金    (手取り支給額)

※ 締め日が月末で、翌月払いの場合の仕訳

月末時の仕訳  (借方) 役員報酬     (貸方) 未払費用

翌月支払日の仕訳

   (借方) 未払費用     (貸方) 法定福利費  (社保、雇用保険)
   (借方) 未払費用     (貸方) 預り金     (源泉税、住民税)
   (借方) 未払費用     (貸方) 当座預金    (手取り支給額)

【税務上の取り扱い】

※ 使用人兼務役員とされない専務取締役及び常務取締役とは、定款等の規定または株主総会もしくは取締役会の決議等により専務取締役等としての職制上の地位を付与された役員を言います。

※使用人兼務役員に対する使用人分の報酬と役員分との報酬を分けていない場合の使用人分の報酬の適正額は、現に従事している使用人の職務と類似する他の使用人の給与の額と比べて、通常支給される額(特別の事情あるときは特別な事情がないものと仮定した額)とし、比べる使用人がいないときは、その使用人兼務役員が役員となる直前に受けていた給料の額、ベースアップ等の状況、使用人の最上位にある者の対して支給した給料の額等を考慮して適性額を計算します。

※ 定期の役員報酬とは、あらかじめ定められた支給基準に基づいて毎日、毎週、毎月のように月以下の期間を単位として規則的に反復または継続して支給される給与を言います。これらの給与でも、通常行われる給与の増額以外において特定の月だけ増額支給した場合の給与についてはその増額支給部分の金額は臨時支給の役員報酬(賞与)となります。ただし、前月の売上高に応じて増減するように定められている場合の売上高に関係なく支給されるものは定期の役員報酬とし、その他のものは役員賞与として取り扱います。

※ 役員報酬と役員賞与の区分

  1. 役員報酬

  • 毎月支給の現物給与

  • 土地家屋の低廉、無償貸付(額は毎月概ね一定)

  • 無償または低利の金銭貸し付け

  • 毎月の住宅の光熱費、個人給与等の個人的費用

  • 毎月支給する定額の渡しきり交際費

  • 社交クラブ入会金当で経常的に負担するもの

 2.  賞与

  • 低廉譲渡、高価買入、債務免除、無償引き受け債務、無償貸付による経済的利益

  • 資産贈与、個人的費用の不定額

  • 用役の無償提供、費途不明経費などで不定のもの

  • 社交クラブの入会金、生命保険の掛け金で不定のもの

 3、 過大報酬の判断(判定)

  • 法人が役員に対して支給した報酬額が、「職務内容」、「法人の収益」、「使用人に対する給与の支給状況」、「類似法人の役員に対する報酬の支給状況」、「株主総会の決議による限度額等」、に照らして、その役員に対する対価として不相当に高額であると認められるときは、その不相当と認められる部分の金額は、損金不算入です。

 

特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入
この規定は、平成18年4月1日以後に開始する事業年度から適用されますので、平成19年3月末に期末をむかえる法人から制度の適用があります。

特殊支配同族会社に該当する法人が業務主宰役員に対して支給する給与の額( 税法では、業務主宰役員給与額と表現しています。)のうち、給与所得控除額に相当する部分の金額は損金不算入となります。

特殊支配同族会社の役員給与の損金算入が認められる場合
特殊支配同族会社の基準所得金額が800万円(一定の場合には3,000万円)以下である事業年度などについては、この規定は適用されません。 
平成19年度税制改正で、基準所得金額が、1600万円以下に改正されます。

特殊支配同族会社とは、次のいずれかに該当する同族会社で、業務主宰役員及び常務に従事する業務主宰役員関連者などの総数が常務に従事する役員の総数の半数を超える場合をいい、特殊支配同族会社の判定は、 その事業年度終了時点の現況により判定します。

(注)
業務主宰役員とは
法人の業務を主宰している役員個人をいいます。 例としては、、当該会社の代表取締役

常務に従事する業務主宰役員関連者とは
その業務主宰役員の親族(例としは、配偶者、子供)などでその同族会社の役員である者及び業務主宰役員とこれらの者により支配されている他の同族会社をいいます。

業務主宰役員グループとは
業務主宰役員及びその親族などである者並びに業務主宰役員とこれらの者により支配されている他の同族会社をいいます。

例えば、ご主人が、代表取締役社長、奥さんが専務取締役、息子さんが常務、ご主人の母親が監査役、父親が会長として就任していると考えら会社の場合
また、奥さんが、ご主人と奥さんとでほとんどの株式を所有する別会社の代表取締役社長で、この別会社が、損金不算入の対象となる当該会社の株式を所有している場合などで、特殊支配同族会社としての範囲に該当すれば、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入の対象となります。

特殊支配同族会社の範囲は、下記のとおりです。
(1)   業務主宰役員グループがその同族会社の発行済株式又は出資(自己株式は除きます。)の総数又は総額の90%以上を保有している場合のその同族会社 

(2)  業務主宰役員グループがその同族会社の一定の議決権の総数(その議決権を行使することができない株主等が有する議決権数は除きます。)の90%以上を保有している場合のその同族会社 

(3)  業務主宰役員グループがその同族会社の株主等(合名会社、合資会社又は合同会社の社員(その同族会社が業務を執行する社員を定めた場合には業務を執行する社員)に限ります。)の総数の90%以上を占めている場合のその同族会社 


業務主宰役員給与額のうち損金不算入額の計算は下記のとおりです。 

 業務主宰役員給与額のうち損金不算入額は、その事業年度の業務主宰役員給与額の金額に応じて、次の表により計算した金額です。 
 なお、この業務主宰役員給与額には、債務の免除による利益その他の経済的利益の額は含まれますが、退職給与の額及び法人税法第34条《役員給与の損金不算入》の規定により損金の額に算入されない金額は含まれません。 

業務主宰役員給与額        損金不算入となる金額 

〜 650,000円            業務主宰役員給与額の全額 
 650,001円〜 1,800,000円    業務主宰役員給与額×0.4 (65万円未満の場合は65万円)
1,800,001円〜 3,600,000円    業務主宰役員給与額×0.3+180,000円 
3,600,001円〜 6,600,000円    業務主宰役員給与額×0.2+540,000円 
6,600,001円〜10,000,000円    業務主宰役員給与額×0.1+1,200,000円 
10,000,001円〜           業務主宰役員給与額×0.05+1,700,000円 

業務主宰役員であった期間が1年未満である場合の計算方法
業務主宰役員給与額をその期間の月数で割り、これを12倍した金額が上記の表に当てはめる業務主宰役員給与額とします。また、この場合の損金不算入となる金額は、上記の表により算出した金額を12で割り、これにその期間の月数を掛けて計算した金額となります。 


損金不算入の規定の適用がない事業年度 

 特殊支配同族会社の下記の規定に該当する事業年度については、この規定は適用されません。 

(1)その事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度(基準期間)の所得金額又は欠損金額及び業務主宰役員給与額などを基礎として計算した金額の平均額(以下「基準所得金額」といいます。)が年800万円以下である事業年度 

(2)基準所得金額が年800万円超かつ3,000万円以下であり、かつ、基準所得金額に占めるその業務主宰役員に対して支給する基準期間の給与の平均額の割合が50%以下である事業年度 

(3)新設法人などで、基準期間がない特殊支配同族会社
その事業年度の所得金額又は欠損金額及び業務主宰役員給与額などを基礎として計算した金額(以下「当年度基準所得金額」といいます。)により、上記の(1)及び(2)と同様に判定します。 

明細書の添付 

 法人が特殊支配同族会社に該当する場合は、確定申告書に基準所得金額又は当年度基準所得金額の計算及びこの規定の適用を受ける金額の計算に関する明細書(別表14(1)及び別表14(1)付表)を添付することが義務づけられています。 

 (法人税法35、法令72、72の2、平18改正法附則23、平18改正法令附則16)

 

事務員給与勘定の内容

事務員に支給される給与、使用人兼務役員の使用人分給与および販売員以外の管理部門の使用人に支給される給与を処理する勘定です。事務関係のパートタイム等の臨時給与も含めてこの勘定で処理します。

【例】

  • 1事務員に支給される給与

  • 販売員以外の管理部門の使用人に支給される給与

  • 事務関係のパートタイム等の臨時給与

  • 使用人兼務役員の使用人分給与

【仕訳例】

20日締め日で、月末支給

    (借方)  事務員給与   (貸方)  法定福利費   (社保、雇用保険)
    (借方)  事務員給与   (貸方)  預り金      (源泉税、住民税)
    (借方)  事務員給与   (貸方)  当座預金    (手取り支給額)

月末締め日で、翌月支給 (月末時の仕訳)

    (借方)  事務員給与   (貸方)  未払費用

翌月の支払日の仕訳

    (借方)  未払費用    (貸方)  法定福利費   (社保、雇用保険)
    (借方)  未払費用    (貸方)  預り金      (源泉税、住民税)
    (借方)  未払費用    (貸方)  当座預金     (手取り支給額)

【税務上の取り扱い】

販売員給与勘定の掲載内容を参考にしてください。

 

従業員賞与勘定の内容

使用人に支給する賞与を処理する勘定です。

【例】

  • 7月、12月に支給する従業員賞与

  • 決算期末に支給する時の従業員賞与

【仕訳例】

支給時の仕訳

   (借方)  従業員賞与   (貸方)  法定福利費  (社会保険)
   (借方)  従業員賞与   (貸方)  預り金     (源泉税)
   (借方)  従業員賞与   (貸方)  当座預金   (手取り支給額)

  • 使用人兼務役員の使用人分賞与以外の、役員賞与の支給額は、損金不算入で支給額は、当該事業年度の益金算入

【税務上の取り扱い】

  • 使用人であった者が役員になった場合、使用人兼務役員であった者が常務取締役または専務取締役等となった場合において、その直後に支給した賞与のうちで、使用人または使用人兼務役員であった期間のかかる賞与の額として相当であると認められる部分の金額は、使用人または使用人兼務役員に対して支給した賞与の額として認められます。

  • 使用人兼務役員の使用人分賞与については、下記の要件をすべて満たすように取り扱いします。
    ※ 他の使用人と同時に支給する
    ※ 使用人として相当の額とします(賞与の支給算定を行い、表にまとめておく)
    ※ 損金経理処理をする

 

退職金勘定の内容

従業員に対して支給する退職金を処理する勘定です。

【例】

  • ( 退職金−退職所得控除額) ×1/2=退職所得の金額

(注1)退職所得控除額は、1年につき40万円、20年を超えるごとに年70万円

(注2)退職所得控除額の計算例、  勤続年数25年2か月

1、勤続年数1年未満の端数は切り上げ〜勤続年数26年

(A)20年まで×40万円=800万円、 (B)20年を超える年数6年×70万円=420万円

2、(A)800万円+(B)420万円=1,220万円

所得税、住民税は、税額表に基づいて算出し、支払日の翌月10日までに、納付しなければなりません。

    (借方)  退職金    (貸方)  預り金     (税金預かり時)
    (借方)  退職金    (貸方)  当座預金   (支給額)

【税務上の取り扱い】  

  • 退職した役員に対する退職給与の額の損金算入の時期は株主総会の決議等によりその額が具体的に確定した日の事業年度の損金に算入されます。ただし、法人が支給した日に損金経理したときはこれを認めると規定しています。

  • 法人が退職した役員に対する退職給与をその額が具体的に確定した日の事業年度以後の事業年度において支給した場合に、その支給した額につきその支給した日の事業年度において仮払金等として経理したときは、その後の事業年度のおいて当該仮払金等を損金経理によって処理した場合であってもその損金経理した額は、損金に算入されませんので注意してください。

  • 退職金について、死亡後3年以内に確定した退職金は、みなし相続財産とされ、その後の確定分については一時所得となります。一時所得とみなされるものは、源泉所得税は、非課税です。

 

減価償却費勘定の内容

使用している固定資産の減価償却費および無形固定資産の償却費を処理する勘定です。

【例】

有形固定資産無形固定資産の各勘定をごらんください。

【仕訳例】

※ 月次決算を指向し、毎月末に間接法で計上し、決算時に逆仕訳を行い、法定減価償却限度額を計上します。

毎月末に、概算償却費を計上する場合の仕訳

   (借方) 減価償却費    (貸方) 減価償却累計額

決算時には、洗い替え処理をします。

(借方) 減価償却累計額  (貸方) 減価償却費 (概算戻入)

(借方) 減価償却費     (貸方) 減価償却累計額(法定額計上)

 

地代家賃勘定の内容

不動産(土地、建物)の賃借り料(共益費を含む)、事務用機械、車両運搬具の使用料、リース料、などを処理する勘定です。

【例】

※ 営業所、寮、社宅の地代、家賃

※ 礼金(敷金を除く)

※ 仲介手数料

※ 事務用機械、車両のレンタル料

【仕訳例】

敷金、斡旋料、前払家賃を支払った場合の仕訳

   (借方)  敷金     (貸方)  当座預金
   (借方)  地代家賃  (貸方)  当座預金

借地権、斡旋料、前払地代を支払った場合の仕訳

   (借方)  借地権   (貸方)   当座預金
   (借方)  地代家賃  (貸方)   当座預金

契約解除によって、敷金、前払家賃の一部が返金された場合

   (借方)  当座預金  (貸方)  敷金

   (借方)  当座預金  (貸方)  地代家賃

【税務上の取り扱い】

※ 法人が借地権の設定により他人に土地を使用させた場合において、これにより収受する地代の額が当該土地の更地価額(公示価額、標準価額、相続税評価額)に対して概ね8%程度のものであるときは、その地代は、使用の対価として相当の地代とし、借地権の受贈益はないものとされます。(概ね3年以内の期間において更改)

※ 相当の地代を引き下げた場合は、その引き下げたことについて相当の理由がある場合を除き、原則としてその引き下げた時において法人税法基本通達13−1−3の算式(省略)に準じて計算した金額の相当する金額を借地人等に対して贈与したものとなります。

 

修繕費勘定の内容

販売管理部門の固定資産の維持管理に必要な費用を処理する勘定です。

【例】

※ 建物等の修理費(例:雨漏り修理、とい修理、ガラスの交換、壁の塗り替え等)

※ 自動車の修理

※ 備品の修理

【仕訳例】

修繕費を請求に基づき、支払った場合の仕訳

   (借方)  修繕費    (貸方)  当座預金  (小切手による支払い)

毎月25日締め、翌月10日支払いの場合

   (借方)  修繕費    (貸方)  未払費用  (月末時の仕訳)

   (借方)  未払費用   (貸方) 当座預金   (支払い時の仕訳)

【税務上の取り扱い】

※(A) 所有する固定資産の修理、改良のために支出した金額のうち、その資産の価値を高めまたは、その耐久性を増すために支出した金額は、資本的支出となります。下記の示す金額は、原則として資本的支出に該当します。

1、建物の避難階段の取り付け等物理的に付加した部分にかかる費用の額

2、用途変更のための模様替え等改造または改装に直接要した費用の額

3、機械の部分品を特に品質または性能の高いものに取り替えた場合の、その取替えに要した費用のうち通常の取り替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分に金額

(注)建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得にあたります。

※(B) 所有固定資産の修理、改良のために支出した金額のうち、その固定資産の通常の維持管理のためまたは災害等により毀損した固定資産につきその現状回復するために要したと認められる部分の金額が修繕費となります。

※(C) 1つの計画に基づき同一の固定資産について行う修理、改良等が下記のいずれかに該当する場合には、その修理、改良のために要した費用の額は損金経理をすることができます。

1、その1つの修理、改良等のために要した費用の額が20万円に満たない場合

2、その修理、改良が概ね3年以内の期間を周期として行われることが既往の実績その他の事情からみて明らかである場合

※(D) 1つの修理、改良等のために要した費用の額のうち資本的支出か修繕費であるか明らかでない金額がある場合には、下記のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理ができます。

1、その金額が60万円に満たない場合

2、その金額がその修理、改良等の係る固定資産の前期末のおける取得価額の概ね10%相当以上である場合

※(E) ※(C) ※(D)以外の1つの修理、改良等のために要した費用の額のうち資本的支出か修繕費であるか明らかでない金額がある場合において、企業が継続してその金額の30%相当額と改良費に係る固定資産の前期末における取得価額の10%相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、これが認められます。

※(F) 耐用年数を経過した減価償却資産について修理、改良等をした場合でもあっても、その修理、改良等のために支出した費用の額に係る資本的支出と修繕費の区分については、一般の例によりその判定を行うことに留意してください。

 

事務用消耗品費勘定の内容

販売管理部門にかかる事務用消耗品を処理する勘定です。

【例】

※ 便箋、ノート、伝票、科目印、コピー用紙および機械維持料、小切手帳、手形帳、

※ 展示会開催、見本市などの招待状等の印刷物は、販売促進費勘定で処理します。

※ 使用可能期間が1年未満または1個または1組の取得価額が10万円未満である机、椅子、書庫、そろばん、電卓、などの購入

【仕訳例】

※ 伝票購入時の仕訳(現金にて支払い)

    (借方)  事務用消耗品費  (貸方)  現金

※ 月末締めの翌月払い(月末時の仕訳)

    (借方)  事務用消耗品費  (貸方)  未払金(月末時)

※ 翌月支払い時の仕訳

    (借方)  未払金       (貸方)  当座預金

※ 自社が印刷した売上伝票、仕入先から購入した仕入伝票を決算日以後1年以上経過してなお在庫がある場合は、決算時に貯蔵品へ振り替える。

    (借方)  貯蔵品       (貸方)  事務用消耗品費

※ 翌期首時点で事務用消耗品費へ再振り替えします。

    (借方)  事務用消耗品費 (貸方)  貯蔵品

 

通信交通費勘定の内容

販売管理部門の情報伝達に必要な通信費および車馬賃、各種交通機関利用費用の費用を処理する勘定です。

【例】

※ 電話代、郵便代、郵便切手代、葉書代、現金書留封筒、

※ 駐車料、通行料、タクシー代、汽車、電車、バス通勤定期代、航空機等

※ 販売管理者、事務員等の出張旅費、日当、宿泊費等

【仕訳例】

※ 高速道路通行料を支払った場合(現金払い)

   (借方)  通信交通費   (貸方)  現金

※ 電話料の請求額を、翌月支払い(小切手にて支払い)

   (借方)  通信交通費   (貸方)  未払費用  (月末時の仕訳)

   (借方)  未払費用    (貸方)  当座預金   (翌月支払い時)

※ 決算時に郵便切手、葉書が在庫としてあっても決算日以後1年以内に消費すると見込まれるものは、継続性を条件として購入時(支出時)において損金算入することができます。

※ 社員出張時の旅費(概算渡し)

   (借方)  仮払金      (貸方)   現金  (概算支払い時)

※ 旅費の精算

   (借方)  通信交通費   (貸方)  仮払金  (精算時確定費用)

   (借方)  現金       (貸方)  仮払金  (仮払金残額受入)

※ 出張の事実を裏付けるものを、旅費精算書と共に保存しておきます。

 

水道光熱費勘定の内容

販売管理部門の電気、ガス、水道代の使用料を処理する勘定です。

【例】

※ 電気代、ガス代、水道料、

※ 冷暖房用重油、石油、石炭、薪炭、

※ 賃貸ビルの共益費

【仕訳例】

※ ガス代を現金で支払った場合

    (借方)  水道光熱費    (貸方)   現金

※ 電気代を普通預金から振り替え支払い

    (借方)  水道光熱費    (貸方)   普通預金

 

租税公課勘定の内容

販売管理部門にかかる国または地方公共団体等から課せられる税を処理する勘定です。

【例】

※ 損金算入(必要経費)として認められるもの

国税の利子税、 地方税の延滞金(延納申請分) 確定事業税、 当期予定(中間)事業税、 自動車税、自動車取得税、 重量税、印紙税、不動産取得税、償却資産税、 固定資産税、 事業所税、 登録免許税、 社会労働保険延滞金、登録免許税、消費税

※ 損金算入(必要経費)として認められないもの

法人税、所得税、国税の延滞金(滞納分)、 都道府県民税、地方税の延滞金(滞納分)、市町村民税、 罰科金、 加算税

【仕訳例】

※ 支払い時の仕訳

   (借方)  租税公課     (貸方)  当座預金

※ 損金算入租税公課と損金不算入租税公課は、同じ伝票で起票しないようにします。

※ 決算期末に未払のもの(前期確定事業税、固定資産税、事業所税)

   (借方)  租税公課    (貸方)   未払費用

※ 納付時

   (借方)  未払費用    (貸方)   当座預金 

※ 普通預金、定期預金などの利子記入があったとき

   (借方) 租税公課     (貸方)   受取利息割引料  (税額)

   (借方) 定期預金     (貸方)   受取利息割引料  (税引後利息)

【税法上の取り扱い】

※ 法人が確定申告書を税務当局に提出する際、添付する別表のなかに、租税公課の納付状況に関する明細書(別表5の2)があります。この「別表5の2」には、上記【例】で示した税目の納付状況を記入することになっています。

 

寄付金勘定の内容

法人税法では、寄付金そのものについて直接的な規定をせず、寄付金の額について規定を置くことによって、寄付金を間接的に説明しています。
裁判の判例では、寄付金について下記のような判例があります。

1、寄付金とは、名義のいかんや業務の関連性の有無を問わず、法人が贈与または無償で供与した資産または経済的利益、換言すれば、法人が直接的な対価を伴わないでした支出を広く指称するものと解すべき(昭和57.9.30 広島高裁松江支部昭56(行コ) 1)。

2、法人が無利息貸付等により経済的利益の供与をした場合、相手方からこれと対価的意義を有するものと認められる経済的な利益の供与を受けているか、あるいは、その経済的利益を手放すに足る何らかの合理的な経済目的その他の事情が存する場合でない限り、経済的利益相当額は、その法人の収益として認識される(寄付金の対象となる)ことになる(昭和53.3.30 大阪高裁昭47 (行コ) 42)

※ 社会的、公共的、福祉的性格の強い寄付金とその他の一般寄付金とに区分し、損金算入限度額を定めています。(税務上の取り扱いを参照してください。)

【例】

※ 国または地方公共団体への寄付

※ 学校法人に対する寄付金

※ 社会福祉法人に対する寄付金

※ 政治団体、代議士への寄付金

【仕訳例】

※ 寄付金は、現金主義で経理しますので、発生主義は認められていません。未払いのものは、損金経理できないことになっています。

  (借方) 寄付金     (貸方)  当座預金

【税務上の取り扱い】

※ 個人(役員および使用人)の負担すべき寄付金を会社が負担した場合には、その者に対する給与(賞与)となります。

※ 公共的寄付によって自社が特別の利益を受ける場合は、繰延資産または固定資産の取得に算入し、損金の額に算入しない。

※ バブル経済の崩壊以降、子会社等の倒産等を防止するためにまたは整理するために損失負担、債権放棄および無利息貸付等の損失負担を行ういわゆる再建支援が増加しています。これらの事案では、損失負担等を行う支援者の損失負担等の額が税務上寄付金に該当するか否かが、支援者の所得計算に影響することになります。このため、再建支援等事案の損失負担等の税務上の取り扱いについて、税務当局では事前相談に応じています。

※ 特定公益増進法人への寄付金のうち、一般の寄付金の損金算入限度額までの金額は、一般の寄付金とは別枠で損金の額に算入することができます。

損金不算入額の計算例

特定公益増進法人への寄付金 400万円、一般の寄付金50万円

一般寄付金の損金算入限度額 100万円

1、特定公益増進法人への寄付金のうち損金不算入額の計算の対象となる金額

特定公益増進法人への寄付金400万円と一般の寄付金の損金算入限度額の100万円とのいずれか少ない金額100万円が損金の額に算入されます。したがって、400万円から100万円を控除した300万円が損金不算入の計算の対象になります。

2、損金不算入額の計算の対象となる金額

損金不算入額の計算の対象となるのは、特定公益増進法人に対する寄付金のうち300万円と一般の寄付金50万円との合計額350万円となります。

3、損金不算入額の計算

寄付金全体に対する損金不算入額は、上記(2)の350万円から一般の寄付金の損金算入限度額100万円を控除した250万円になります。

4、特定公益増進法人

公共法人、公益法人その他特別の法律により設立された法人のうち、教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する法人のことを言います。

1、自動車安全運転センター、総合研究開発機構、理化学研究所ほか22法人

2、民法34条の規定により設立された一定の法人

3、私立学校法第3条に規定する学校法人で一定のものなど

4、社会福祉事業法第22条に規定する社会福祉法人

5、更正保護事業法第2条第6項に規定する更正保護法人

この取り扱いを受けるには、確定申告書に、その寄付金の損金算入限度額の計算に関する明細書を添付し、かつ、その寄付金がその特定公益増進法人である主たる目的の業務に関する寄付金であることを等を証明する一定の書類を保存していることが求められています。

 

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