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未払金の計上方法

【問】
事業専従者の給料を毎月支払っていますが、一部、資金繰りの都合で支払えなくなったので、その一部を内払いにしました。この未払金の処理についてどのようにするのですか。

【答】
下記に仕訳を示します。

(借方) 給料

○○○

(貸方) 現金

○○○

     給料

○○○

     未払金

○○○

     給料

○○

     預り金

○○

(注)未払金は、「○月分」と摘要欄に記入してください。
預り金は、「源泉所得税○月分、市民税○月分」、と摘要欄に記入してください。

 

振込料を差し引いて振込まれた売掛代金

【問】
得意先より振込まれてきた売掛代金から、振込料が差し引かれていました。この場合の記帳方法は、どうすればよいですか。

【答】
振込料を差し引いた後の売掛金の金額は、売掛金勘定の貸方にその金額を記入します。当座預金勘定に売掛代金が振込まれている場合には、その勘定の借方にその金額を記入し、振込料相当金額の売掛金は、その金額を売掛金勘定の貸方にその金額を記入します。なお、振込料は、費用の勘定(例:雑費、振込料)を設けてその勘定に記入します。

(仕訳)

(借方) 当座預金

○○○○

(貸方) 売掛金

○○○○

     雑費

○○

     売掛金

○○

 

同じ取引先に売上と仕入がある相殺取引の記帳

【問】
小売業を営んでいるものですが、私どもの得意先に「商品の販売」と「商品の仕入」の両方の取引があります。売上代金と買掛代金は、その月末に、請求書によって相殺することにしています。このような場合の記帳方法についてお尋ねいたします。

【答】
月末に、売上金額と仕入金額との相殺を行う時点で、相殺する売上代金は売掛勘定の貸方にその金額を記入し、相殺する仕入代金は買掛金勘定の借方にその金額を記入します。なお、売掛金及び買掛金のどちらか一方に相殺後に残高が残る場合があります。この場合は、売掛入金、買掛金支払いの場合と同じ処理をします。
(例1.)
売上代金¥1,200,000 仕入代金¥1,000,000で、差し引き差額は、小切手で受けとり直ちに当座預金に入金した。

(借方) 買掛金

1,000,000

(貸方) 売掛金

1,000,000

     当座預金

200,000

     売掛金

200,000

(例2.)
売上代金¥1,000,000 仕入代金¥1,200,000で、差し引き差額は、小切手を振出して支払った。

(借方) 買掛金

1,000,000

(貸方) 売掛金

1,000,000

     買掛金

200,000

    当座預金

200,000

 

時貸しの記帳

【問】
時貸しの場合、2〜3日後には、ほとんどその入金があります。しかし数が多いので、記帳が大変煩雑になります。このような場合の記帳について、お尋ねします。

【答】
時貸しが多い場合は、その取引の度に記帳するのは大変面倒で、時貸し分の売上伝票をまとめて管理するか、時貸しの売掛元帳を作成して管理するとよいでしょう。上記の方法の管理がうまくできている場合は、その日の時貸し分を一括して記入すればよい。その場合摘要欄に「掛売○○商店ほか○○件」のように記入し、その入金額を現金勘定または当座預金勘定等の借方に記入します。一方、掛売額(入金額)は、売上勘定の貸方に記入します。
(仕訳)

(借方) 現金
    (当座預金)

○○○

(貸方) 売上

○○○

日々の積立金の記帳方法

【問】
信用組合(信用金庫)の外交員に、毎日、¥3,000〜¥10,000を渡して積立しています。この積立金を1か月単位でまとめて記入してよいでしょうか。

【答】
記帳の基本ルールは、日々の売上や仕入などの取引を集計し、その日の現金及び預金の動きを明確に記録することが基本です。このことから考えますと信用金庫への積立は、面倒ですが、毎日記帳することが大事です。日々必ず記帳してください。

 

金残高と出納帳残高が一致(合わない)しないときの処理

【問】
小売業の経営者ですが、毎日といってよいほどレジの記録金額と現金残高が合いません。このような差額は、どのように記帳しますか。

【答】
店の現金残高とレジの現金残高が一致しないのは、現実に受け取った「お金」や「おつりの支払い」を間違ったケースの場合、「レジの入力ミス」などが多いのではないでしょうか。このようなことはあまりよい現象とはいえませんが、正確に処理できるように、取り扱いになれることです。
現金過不足が生じた場合には、簿記では現金過不足勘定を設けてその日の過不足額を記入し、現金手許残高と一致させます。しかし、操作に不慣れで合わないケースがほとんど毎日発生すると現金過不足勘定で処理するよりも、仮受金勘定(負債)と仮払金勘定(資産)へ記入し毎月末に仮受金勘定と仮払金勘定とを相殺するのも1つの方法です。
(仕訳)
1.日々の処理:(現金残高がレジ残高(帳簿残高)より少ない場合)

(借方) 仮払金(資産)

○○

(貸方) 現金

○○

2.日々の処理:(現金残高がレジ残高(帳簿残高)より多い場合)

(借方)   現金

○○

(貸方) 仮受金(負債)

○○

3.月末の処理:現金過不足仮受残高¥20,000 現金過不足仮払い残高¥24,000の場合

(借方) 仮受金

20,000

(貸方) 仮払金

20,000

上記の仕訳をし仮払金残高¥4,000は次月へ繰越します。なお、現金過不足仮受残高¥24,000 現金仮払い残高¥20,000の場合は、相殺する仕訳は、同じです。現金過不足仮受残高¥4,000は次月へ繰越します。
決算期に、仮払金か仮受金に残高がある場合は、仮払金の残高は雑損失勘定へ振り替え、仮受金の残高は雑収入勘定へ振り替えます。

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