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2級仕訳編 その他2

仕入割引・売上割引

買掛代金の支払い際して、一定期間内おいて支払期日より前に支払ったとき、支払額一部を免除されことがあります。これを仕入割引といい、これは売り手側からみると売上割引になります。

【例】

両店の仕訳を示してください。

1. 第四商店は第五商店から3月1日に商品¥1,400,000を掛で仕入れた。ただし、支払期日は3月末日で、「10日以内に支払うときは1%を割引く」という条件である。

2. 第四商店は第五商店に3月5日に掛代金を支払うこととし、1%の割引きを受け小切手を振り出して支払った。

(仕訳)

1.
(第四商店)
(借方) 仕入

1,400,000

(貸方) 買掛金

1,400,000

(第五商店)
     売掛金

1,400,000

      売上

1,400,000

2.
(第四商店)
     買掛金

1,400,000

     仕入割引

14,000

     当座預金

1,386,000

(第五商店)
     現金

1,386,000

     売掛金

1,400,000

     売上割引

14,000

●参考

1. 商品の仕入および売上たときの仕訳は、通常の取引のときと同様です。割引条件が付いているだけで、この時点での掛代金の支払いおよび回収は、行われていないので割引が発生しません。

2. 買い手は1%の割引を受けたので仕入割引勘定(収益の勘定)の貸方に記入し、割引をした売り手は売上割引勘定(費用の勘定)の借方に記入します。

 

仕入割戻・売上割戻

一定期間に一定数量または金額以上の買い入れを行ったとき、支払額が一部免除されることを仕入割戻といい、売り手からすると売上割戻です。

【例】

両商店の仕訳を示してください。

第六商店は第七商店から仕入れた商品が、一定額を超えたので、¥60,000を現金で割戻を受けた。

(仕訳)

(第六商店)

(借方) 現金

60,000

(貸方) 仕入

60,000

(第七商店)

(借方) 売上

60,000

現金

60,000

●参考

買い手は支払い代金の一部の払い戻しを受けたので仕入の減少となり、仕入勘定の貸方に記入します。売り手は、売上代金の一部を払い戻すので、売上の減少となり、売上勘定の借方に記入します。

 

割賦販売

商品の販売代金を何回かに分割して定めた額を、定期的に受領する約束で商品の販売を行うことを割賦販売と言います。月賦販売が一般的です。

販売基準:
通常の掛売と同様に商品を引き渡したときに売上を計上します。しかし、一般的な商品売買より、貸倒れの危険が増し、代金回収費用も多くかかるので通常の商品売買と区別して別の売上勘定を設けることが多いです。

(割賦販売時)

(借方) 割賦売掛金

○○○

(貸方)割賦売上

○○○

(割賦代金入金時)

(借方) 現金

○○

(貸方)割賦売掛金

○○


回収基準:
割賦の代金回収額を売上に計上する方法です。商品販売時に対照勘定を用いて記帳しておき、代金回収のたびに、売上に計上します。そして、代金回収と同額の対照勘定を反対して減少させるようにします。

(割賦販売時)

(借方) 割賦売掛金

○○○

(貸方)割賦仮売上

○○○

(割賦代金入金時)

(借方) 現金

○○

(貸方) 割賦売上

○○

     割賦仮売上

○○

     割賦売掛金

○○

【例】

販売基準と回収基準によって、それぞれ仕訳を示してください。

1. 商品¥300,000を12か月の月賦で販売し、第一回の割賦金¥25,000を現金で受け取った。

2. 上記の第2回の割賦金¥25,000を回収した。

(仕訳)

(販売基準)

1.(借方)割賦売掛金

300,000

(貸方) 割賦売上

300,000

     現金

25,000

     割賦売掛金

25,000

2.    現金

25,000

     割賦売掛金

25,000

(回収基準)

1.(借方) 割賦売掛金

300,000

(貸方) 割賦仮売上

300,000

      現金

25,000

     割賦売上

25,000

      割賦仮売上

25,000

     割賦売掛金

25,000

2.     現金

25,000

     割賦売上

25,000

      割賦仮売上

25,000

     割賦売掛金

25,000

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