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売 上 原 価、販売費一般管理費

売上原価

売上に個別に対応する原価について判断(検討)するにあったって重要なことは、「売上品の数量の把握」、「売上と原価との対応関係」、「原価計上の適時性」、「原価の妥当性」、「原価の範囲と分類の妥当性」などが重要検討事項です。

期首棚卸勘定の内容

貸借対照表の「商品」の前期末残高を売上原価に算入するために処理する勘定です。

【例】

※ 前期末残高を売上原価に算入する。

【仕訳例】

※ 期首月に繰越商品を期首棚卸高へ振り替え、その月末の商品在庫を期末棚卸高へ計上する場合

前期繰越商品の仕訳   (借方) 期首棚卸高   (貸方) 商品

月末概算商品棚卸高   (借方) 商品       (貸方) 期末棚卸高

※ 期首月を除く各月末時に、前月末に計上した商品在庫高(商品勘定)を洗い替え計上

前月末概算商品棚卸高  (借方) 期末棚卸高  (貸方) 商品

当月末概算商品棚卸高  (借方) 商品       (貸方) 期末棚卸高

※ 企業経営上、経営管理をするためには、毎月、正確な試算表と財務諸表を作成することが条件です。しかし、時間的な面もあり、配慮を加え、販売業では年に4回程度の実地棚卸を実施されることが実務上として多い。

【税務上の取り扱い】

※ 棚卸資産の評価方法について、法人税法では、8種類の原価法とその低価法とを定めています。事業の種類ごとに、かつ、「商品または製品」、「半製品」、「仕掛品(半成工事を含む)」、「主要原材料」、「補助原材料その他の棚卸資産」の区分ごとに、いずれかの方法を選択するかを、あらかじめ税務署長に届け出る(最初の確定申告の提出期限まで)ことになっています。なお、評価の方法を届けていない場合は、最終仕入原価法により評価することになります。個人の場合も、同様です。

法人税法29-1、施行令28-1-1、28-2、31-1、

 

商品仕入高勘定の内容

販売商品(売上商品)の仕入高(仕入運賃、直接諸掛けを含む)、役務仕入を処理する勘定です。

【例】

※ 商品仕入(本支店間、支店間取引を含む)

※ 役務仕入

【仕訳例】

※ 仕入の締め日を、毎月20日とすると21日から末日までの仕入高は、補助簿または仕入伝票に基づき計算します。計算した金額は、買掛金集計表に記入し合計額を計上します。

   (借方) 商品仕入高  (借方) 買掛金

※ 仕入計上は、受入基準、検収基準などにより合理的かつ継続的に処理した日とします。

※ 本支店間および支店間取引は、各支店が本店集中制度を採用している場合、A支店からE支店へ商品を転送した場合でも、A支店→本店へ送り、本店→E支店へ送ったとして処理します。

A支店の仕訳 (借方) 本店勘定   (貸方) 商品仕入高

本店の仕訳  (借方) E支店     (貸方) A支店

E支店の仕訳 (借方) 商品仕入高  (貸方) 本店勘定

 

仕入値引戻し高勘定の内容

当期の仕入高の控除額および正常な前期以前の仕入高に対する控除額を処理する勘定です。

【例】

※ 契約等に基づく受取リベート

※ 暇疵ある商品を値引または返品したとき

※ 仕切り値を変更しない替わりに値引したとき

【仕訳例】

※ 商品を返品し買掛金と相殺したとき

   (借方) 買掛金  (借方)  仕入値引戻し高

※ 値引額を現金受入した場合

   (借方) 現金    (貸方)  仕入値引戻し高

【税務上の取り扱い】

(仕入割戻しの計上時期)法基通2−5−4 
購入した棚卸資産に係る仕入割戻しの金額の計上の時期は、次の区分に応じ、次に掲げる事業年度とする。(昭55年直法2−8「九」、平12年課法2−7「六」により改正)
(1) その算定基準が購入価額又は購入数量によっており、かつ、その算定基準が契約その他の方法により明示されている仕入割戻し 購入した日の属する事業年度 

(2)  (1)に該当しない仕入割戻し その仕入割戻しの金額の通知を受けた日の属する事業年度 

(一定期間支払を受けない仕入割戻しの計上時期) 
2−5−5 
2−5−2の適用がある売上割戻しに対応する仕入割戻しについては、2−5−4にかかわらず、現実に支払(買掛金等への充当を含む。)を受けた日(その日前に2−5−3により実質的にその利益を享受することとなった場合には、その享受することとなった日)の属する事業年度の仕入割戻しとして取り扱う。ただし、法人が棚卸資産を購入した日の属する事業年度又は相手方から通知を受けた日の属する事業年度の仕入割戻しとして経理している場合には、これを認める。(昭55年直法2−8「九」、平12年課法2−7「六」により改正) 

(法人が計上しなかった仕入割戻しの処理)
2−5−6 
法人が購入した棚卸資産に係る仕入割戻しの金額につき2−5−4又は2−5−5に定める事業年度において計上しなかった場合には、その仕入割戻しの金額は、当該事業年度の総仕入高から控除しないで益金の額に算入する。(昭55年直法2−8「九」、平12年課法2−7「六」により改正) 

※ 売上値引戻り高勘定を参考にしてください。法人税法基本通達2-5-1, 2-5-2, 2-5-3 

 

期末棚卸高勘定の内容

期末に残った商品を貸借対照表に計上して、売上原価の計算から除外するための処理をする勘定です。

【仕訳例】

※ 期首月の仕訳(期首月の月末に行う仕訳)

(借方) 期首棚卸高  (貸方) 商品      (前期繰越商品)

(借方) 商品      (貸方) 期末棚卸高  (当月末概算商品残高)

※ 各月末に前月末に計上した商品在庫高(商品勘定)を洗い替え計上

(借方) 期末棚卸高  (貸方) 商品      (前月計上概算商品戻入)

(借方) 商品      (貸方) 期末棚卸高  (月末概算商品残高)

※ 決算時の仕訳

(借方) 期末棚卸高  (貸方) 商品      (前月概算商品戻入)

(借方) 商品      (貸方) 期末棚卸高  (実地棚卸高を計上)

※ 実地棚卸を行った記録票には、月日、商品の保管場所、棚卸実施者名、ページ数、商品名、数量等を記録し、棚卸表に記載後も保存します。

※ 棚卸表には、採用した評価方法によって単価を記入し、金額を計算します。計算者名、ページ数、合計表(各ページ合計表と総合計表)を添付します。

※ 期末日に近い時期の仕入商品で、売上に計上されていない場合には、棚卸資産の商品に含まれていなければならない。翌期首売上または返品のものは、棚卸商品に記載されているか翌期売上または返品時までに仕入が発生していなければならない。このような記録表(追跡調査記録表)を作成して保存しておきます。

【税務上の取り扱い】

※ 棚卸資産の著しい陳腐化の例示等に該当することにより評価損を計上するときは、損金経理により処理することを条件とします。

※ 期末における実地棚卸が困難な場合は、その業種や規模の大小に応じて、期末実地棚卸に替えて部分計画棚卸など一定の合理的な方法にって在庫確認をすることも認められています。

※ 売価還元法は、種類、品質および型(種類)または通常の差益率と同じ棚卸資産ごとに下記の算式によって計算します。この場合の原価率は、下記に示す算式によって計算した割合です。

算式1. 

期末棚卸資産の通常の販売価額の総額 × 原価率 期末棚卸資産の取得価額

算式2. 

期首棚卸高+当期仕入高      
当期売上高+期末棚卸資産の通常の販売価額総額
原価率

法33‐2、法令28‐1、法基通5‐4‐1、9‐1‐4 〜 9‐1‐6の11

 

販売費および一般管理費

販売員給与勘定の内容

販売員給与に支払う給与(販売員に従事するアルバイト、パート等の臨時的給与、雑給を含む)を処理する勘定です。

【仕訳例】

毎月末締め日で翌月5払いとした場合の仕訳

    (借方)  販売員給与  (貸方)  未払費用

翌月5日に支給した場合の仕訳

    (借方)  未払費用   (貸方)  法定福利費  (社保、雇用保険)
    (借方)  未払費用   (貸方)  預り金     (源泉税、住民税)
    (借方)  未払費用   (貸方)  現金      (手取り支給額)

※ 人数を確認して架空人件費計上にならないように注意します。 

【税務上の取り扱い】

※ 非課税通勤手当(最高限度額100,000円)は、販売員給与勘定を使用せず、通信交通費勘定で処理します。なお、限度超過額は、この勘定で処理し、該当者の給与に加算して源泉税を徴収します。
所得税法施行令28‐1

※ 宿直、日直料は1回につき4,000円までの部分は非課税です。(所得税基本通達28‐1)

※ 役員、使用人に業務遂行の必要上、免許、資格を取得するための研修会、講習会の出席等を支給した場合は、これらの費用が適正なものならば源泉税は課税されません。(所得税基本通達9‐15)

※ 残業者、深夜勤務者等が購入する食費の購入金額を支給した場合は、その支給額は非課税扱いです。
正規の勤務時間の一部又は全部が深夜(午後10時〜翌午前5時)に及ぶ深夜勤務者に対する夜食の提供ができないため、これに代えて通常の給与に加算して支給される夜食代で、その支給額が勤務1回につき300円以下のものについては、課税されないことになっています。(昭59直法6−5)
この場合の支給額が非課税限度額の300円を超えるかどうかに関して、支給額に105分の100を乗じた金額により判定されます。(平元直法6−1(平9課法8−1改正)

※ 結婚祝金、葬祭料、香典、見舞金などは、もらった人の職務内容や役職、支出した人との関係等に基づいて、社会通念上相当な金額であれば給与所得としては課税されない。(所法36、所基通28‐5、36−21、36−24、36−38、36−38の2、9‐23、昭59直所3−8) 

※ 有価証券を現物支給する場合には、金額の多少にかかわらず支給額の価額によって給与所得として課税されます。(所基通36−36、昭50直所3−4、昭52直所3−33、直法6−10、直資3−15、平4課法8−5、課所4−3、平14課個2-5、課資3-3、課法8-3、課審3-118改正)

※ 商品や製品を役員や使用人に支給した場合には、次の価額が給与所得として課税されます。(所基通36−39)

1、製造業者が自家製品を支給する場合・・・・・・販売価額

2、卸売業者が自家製品を支給する場合・・・・・・卸売価額

3、小売業者が自家製品を支給する場合・・・・・・小売価額

4、ほかに販売しないものを支給する場合・・・・・通常の売買価額または購入価額

※ 役員や使用人に支給する食事については、食事の支給を受ける人が食事代の50%以上を負担していれば原則として非課税です。ただし、食事代の会社負担分が月額3,500円を超える場合には、会社が負担した全額(消費税を除く)について課税されます。(所基通36‐38‐の2)

※ 職務の性質上制服を着用しなければならない役員、使用人に支給、貸与される制服その他身のまわり品については、非課税です。ただし、品物に替えて現金を支給する場合は源泉税が課税されます。所基通9‐8

※ 創業記念、増資記念、合併記念等に支給する記念品は、記念品の処分見込み価額が10,000円以下で、かつ、5年以上の期間毎に実施されるものは、非課税給与として取り扱われます。
所基通36‐22

※ 社会通念上、一般的に行われていると認められる会食、旅行、演芸会、運動会等のリクレーション費用は、非課税給与として取り扱います。ただし、これらの行事に参加しなかった役員や使用人に費用負担額を支給したときは、すべての役員や使用人に不参加者への支給額に相当する給与の支給があったものとして源泉税が課税されます。所基通36‐30、36‐50

※ 寄宿舎の電気、ガス、水道料を会社が負担した場合は給与所得として課税します。ただし、会社の負担する額が通常必要であると認めれれる範囲内のもので、かつ、各人毎に使用部分に相当する金額が明らかでないものは、非課税です。所基通36‐26

※ 下記に示す貸金には、源泉税を課税しないことができます。所基通36‐28

1、災害、疾病等によって臨時的に多額な生活資金を必要とする場合に、返済期間として合理的と認めれる期間内に受ける経済的利益

2、(1)以外の貸付金についての経済的利益1事業年度5,000円以下

※ 社宅、寮等の家賃相当額は、下記により給与として課税されます。所基通36‐40、41

役員社宅

役員自己社宅(小規模住宅以外)
※固定資産の建物の課税標額 × 12% 固定資産の敷地
の課税標準額
× 6%) ÷ 12・・・A
AとBどちらかの高い方の金額
※木造で耐用年数30年以下 ※木造以外(耐用年数31年以上)は10%
役員賃上げ住宅(小規模住宅以外)支払い賃貸料の2分の1・・・・・B

役員小規模住宅(自己所有の住宅、借り上げとも)

固定資産の建物の課税標準額×0,2%+12円×坪数+固定資産の敷地の課税標準額×0,22%・・・・C
(注)使用人社宅の但し書き「50%以上云々」の適用はないことに留意してください。

使用人社宅は, 役員社宅の小規模住宅, Cの計算方法によります。ただし,徴収している金額がその社宅等について評価した家賃相当額の50%以上である場合または強制居住者に提供している場合は課税しないことになっています。所基通36‐40、47、所令21四

 

販売員旅費勘定の内容

販売を担当する者の国内出張、海外出張の旅費を処理する勘定です。

【例】

※ 旅費規定に基づく「出張旅費」、「転勤旅費」、「雑旅費」、

※ 乗車船料、航空料金、宿泊料、日当、入出国手続費用など

【仕訳例】

※ 実際に出張者が支払った実額支出の場合の仕訳

    (借方)  販売員旅費    (貸方)  現金

※ 仮払旅費として概算額を支払った場合

    (借方)  仮払金       (貸方)  現金・(当座預金)

※ 出張者が戻り仮払旅費を精算し、追加支給があった場合

    (借方)  販売員旅費    (貸方)  仮払金 
    (借方)  販売員旅費    (貸方)  現金

※出張者が戻り仮払旅費を精算し、差額返却を受けた場合

    (借方)  販売員旅費    (貸方)  仮払金
    (借方)  現金        ,(貸方)  仮払金

※ 期末時に未払いの旅費がある場合は、未払費用に計上します。

    (借方)  販売員旅費    (貸方)  未払費用

【税務上の取り扱い】

※ 海外出張  観光旅行(ツアー)は、 全額認定賞与

同業者との旅行(ツアー)
業務の時間と観光時間を考慮して按分します。
     損金算入部分と認定賞与に按分します

(注)旅行スケジュール表、パンフレット、写真で証拠書類を完備してください。

※得意先を招待した帰路について、得意先のためにタクシー代を支出した場合の額は、接待交際費で処理します。

法人税法基本通達9−3〜9−6、 9−7−6 〜 9−7−10、
所得税法基本通達37−17 〜 37−22

海外渡航費の取扱いについて(法令解釈通達)
課法2−15
課所4−24
査調4−29
平成12年10月11日

標題のことについて、その取扱いを下記のとおり定めたから、今後処理するものから、これにより適切に処理されたい。
 なお、昭和42年8月21日付直法 1-242ほか2課共同「海外渡航費の取扱いの実施について」(事務運営指針)は、廃止する。 (趣旨) 海外渡航費の取扱いについては、法人税基本通達第9章第7節第2款《海外渡航費》及び所得税基本通達第2編第1章第1節第2款法第37条《必要経費》関係の[海外渡航費]において基本的な考え方を明らかにしているところであるが、同業者団体等が主催して実施する海外視察等の機会に併せて観光が行われる場合の海外渡航費の取扱いの処理基準を整備することにより、海外渡航費について統一的な取扱いを図ることとする。 



(海外渡航費に係る損金算入額又は必要経費算入額の計算 ) 1  
海外渡航費に係る損金算入額又は必要経費算入額の算定に当たっては、次に掲げる事項を具体的に説明する書類その他参考となる資料に基づき、その法人又は個人の海外視察等の動機、参加者の役職、業務関連性等を十分検討する。
(1)  団体旅行の主催者、その名称、旅行目的、旅行日程、参加費用の額等その旅行の内容 
(2)  参加者の氏名、役職、住所 
(注) 上記(1)を説明する資料については、必要に応じ、団体旅行の主催者等の所在地を所轄する税務署又は国税局を通じて入手する等、事実関係の的確な把握に努める。 

(損金算入額又は必要経費算入額の計算の方法) 2  
同業者団体等が行う視察等のための団体による海外渡航については、課税上弊害のない限り、その旅行に通常要する費用(その旅行費用の総額のうちその旅行に通常必要であると認められる費用をいう。以下同じ。)の額に、旅行日程の区分による業務従事割合を基礎とした損金又は必要経費算入の割合(以下「損金等算入割合」という。)を乗じて計算した金額を旅費として損金の額又は必要経費の額に算入する。
ただし、次に揚げる場合には、それぞれ次による。 

(1)  その団体旅行に係る損金等算入割合が90%以上となる場合 その旅行に通常要する費用の額の全額を旅費として損金の額又は必要経費の額に算入する。 

(2)  その団体旅行に係る損金等算入割合が10%以下となる場合 その旅行に通常要する費用の額の全額を旅費として損金の額又は必要経費の額に算入しない。 
  (注)海外渡航の参加者である使用人に対する給与と認められる費用は、給与として損金の額又は必要経費の額に算入する。
  ただし、個人の事業専従者に対して支給した給与とされるものの必要経費算入については、所得税法第57条第1項又は第3項の規定の適用がある。

(3)  その海外渡航が業務遂行上直接必要であると認められる場合(「業務従事割合」が50%以上の場合に限る。) その旅行に通常要する費用の額を「往復の交通費の額(業務を遂行する場所までのものに限る。以下同じ。)」と「その他の費用の額」とに区分し、「その他の費用の額」に損金等算入割合を乗じて計算した金額と「往復の交通費の額」との計額を旅費として損金の額又は必要経費の額に算入する。 

(4)  参加者のうち別行動をとった者等個別事情のある者がいる場合 当該者については、個別事情を斟酌して業務従事割合の算定を行う。

(損金等算入割合) 3  
上記2に定める「損金等算入割合」は、業務従事割合を10%単位で区分したものとするが、その区分に当たり業務従事割合の10%未満の端数については四捨五入する。 
 
(業務従事割合) 4  
上記2に定める「業務従事割合」は、旅行日程を「視察等(業務に従事したと認められる日数)」、「観光(観光を行ったと認められる日数)」、「旅行日」及び「その他」に区分し、次の算式により計算した割合とする。
[算式] 

        視察の業務に従事したと見られる日数
―――――――――――――――――――――――――――――――――
(視察の業務に従事したと見られる日数+観光を行ったと認められる日数)

 
(日数の区分) 5  
業務従事割合の計算の基礎となる日数の区分は、おおむね次による。

(1)  日数区分の単位
 日数の区分は、昼間の通常の業務時間(おむね8時間) を1.0 日としてその行動状況に応じ、おおむね0.25日を単位に算出する。ただし、夜間において業務に従事している場合には、これに係る日数を「視察等の業務に従事したと認められる日数」 に加算する。 

(2)  視察等の日数
 視察等の日数は、次に掲げるような視察等でその参加法人又は個人の業種業態、事業内容、事業計画等からみてその法人又は個人の業務上必要と認められるものに係る日数とする。 イ  工場、店舗等の視察、見学又は訪問 
ロ  展示会、見本市等への参加又は見学 
ハ  市場、流通機構等の調査研究等 
ニ  国際会議への出席 
ホ  海外セミナーへの参加 
ヘ  同業者団体又は関係官庁等の訪問、懇談 

(3)  観光の日数
 観光の日数には、次に掲げるようなものに係る日数が含まれる。 イ  自由行動時間での私的な外出 
ロ  観光に附随して行った簡易な見学、儀礼的な訪問 
ハ  ロータリークラブ等その他これに準ずる会議で、私的地位に基づいて出席したもの 

(4)  旅行日の日数
 旅行日の日数は、原則として目的地までの往復及び移動に要した日数とするが、現地における移動日等の日数でその内容からみて「視察等の日数」又は「観光の日数」に含めることが相当と認められる日数(観光の日数に含めることが相当と認められる当該移動日等の日数で、土曜日又は日曜日等の休日の日数に含まれるものを除く。) は、それぞれの日数に含める。 

(5)  その他の日数
 その他の日数は、次に掲げる日数とする。
イ  土曜日又は日曜日等の休日の日数(4の旅行日の日数を除く。)。
 ただし、これらの日のうち業務に従事したと認められる日数は「視察等の日数」に含め、その旅行の日程からみて当該旅行のほとんどが観光と認められ、かつ、これらの日の前後の行動状況から一連の観光を行っていると認められるような場合には「観光の日数」に含める。 
ロ  土曜日又は日曜日等の休日以外の日の日数のうち「視察等」、「観光」及び「旅行日」に区分されない休養、帰国準備等その他の部分の日数。 

(所轄国税局長との協議) 6  
税務署長は、その海外渡航費の額が多額であること、業務関連性の判断が困難である こと等の事由により所轄国税局長(沖縄国税事務所長を含む。以下同じ。)と協議することが適当と認められる場合には、所轄国税局長と協議の上その事案に応じた処理を行うものとする。

 

広告宣伝費勘定の内容

不特定多数の者に対して宣伝の効果を意図として支出する費用を処理する勘定です。

【例】

※ 印刷媒体(一般の日誌、新聞等の広告料掲載料、雑誌等の広告掲載料)

※ 屋外媒体(街路標識、道標広告料、看板、電光掲示板広告料)

※ 交通機関媒体(中吊り、車体広告料)

※ 郵送(DM印刷代、郵送料、封筒代、宛名印刷代)

※ その他(試用品、求人広告料、会社概要印刷代等)

※ 広告媒体に関するデザイン料、写真撮影料等の外注費、交通費、宿泊費

※ 当社使用人が広告にかかるコピー等を作成するための消耗品代および取材に要した費用は、形態的分類に従い、それぞれの該当科目で処理します。

【仕訳例】

※ 広告宣伝費を現金で支払った場合

    (借方)  広告宣伝費   (貸方)   現金

※ 月末において未払いものは、理論的には未払金または未払費用に計上しますが、実務上の便宜さを取り入れ、金額の大小により下記のように処理します。(販売費一般管理費の支出について同じです。)

1、支払い金額が常に5万円以上と見込まれる場合について、毎月発生主義に基づき洗い替え処理をする。

    (借方)  未払費用    (貸方)   当座預金  (前月分)

    (借方)  広告宣伝費   (貸方)  未払費用   (当月分)

支払い金額が常に5万円未満と見込まれる場合は、現金主義に基づき処理します。

    (借方)  広告宣伝費   (貸方)  当座預金

【税務上の取り扱い】

※ 必要費用とならない広告宣伝費のための支出

1、未経過期間に対応する広告掲載費で前払費用に振り替えたもの(振り替えなければ、損金算入が認めれる。)

2、自己の製品の宣伝のために固定資産を贈与するために支出した費用(繰延資産に計上、 繰延資産償却で費用計上) 法基通8−2−3

3、未使用の広告宣伝用の印刷物等で貯蔵品に振り替えたもの(振り替えなければ損金算入が認められる。)

※ 宣伝広告の用に供する資産(看板、緞帳、陳列棚、自動車、展示用モデルハウス等)を贈与した場合には、広告宣伝費ではなく税法上の繰延資産として取り扱われる。 法基通8−1−8

※ 新聞、雑誌等の出版物または放送番組を編集するために行われる座談会、その他記事のまたは放送のための取材に通常要する費用は、たとえ酒類が伴っても交際費には含まないとされているので広告宣伝費で処理します。 租税特別措置法施行令37の5

※ カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用。 租税特別措置法施行令37の5

措法61の4、措令3措通61の4(1)−1、61の4(1)−9)7の5、

※ 報酬料金についての源泉徴収の該当の有無の確認が必要です。 所得税法204

 

 

容器包装費勘定の内容

商品の販売の際に無償で提供する容器や包装のための消耗品と出荷に際して荷造り梱包するための荷造り材料を処理する勘定です。

【例】

※ 包装用の諸材料に要した費用(製品を梱包するための化粧箱等の費用は製造原価の材料費)

※ 荷造り梱包するための荷造り材料費

【仕訳例】

※ 店頭で使用する梱包資材を20締め月末払いで購入。

     (借方)  容器包装費   (貸方)   未払金

※ 月末に未払金を月末に小切手を振り出して支払った。

     (借方)  未払金      (貸方)   当座預金

【税務上の取り扱い】

法人が事務用の消耗品、作業用消耗品、包装資材、広告宣伝用印刷物、見本品、その他これらに準ずる棚卸資産(各年度毎におおむね一定数量を購入し、かつ、経常的に消費するものに限る)の取得に要した費用の額を継続してその取得した日の年度の損金の額に算入している場合は、これを認めると規定しています。
法人税基本通達2−2−15

 

発送配達費勘定の内容

出荷、配達のための外注の運送費及びこれに付随する荷造り費を処理する勘定です。

【例】

※ 商品発送運賃

※ コンテナ代

※ 返送される不良品の引取運賃

※ 郵便料金計器のリース代

【仕訳例】

※ 得意先に送るため運送会社へ依頼

    (借方)  発送配達費    (貸方)   現金

※ コンテナ代金を小切手を振り出して支払

    (借方)  発送配達費    (貸方)   当座預金

※ 外注運賃を20日締めで、翌月5日払い

    (借方)  発送配達費    (貸方)   未払費用

※ 上記未払費用を、小切手を振り出して支払った

    (借方)  未払費用     (貸方)   当座預金

 

販売促進費勘定の内容

広告宣伝費、会議費、通信費、接待交際費等の複合的な勘定科目としてその支出の内容を考慮し、必要経費として処理する勘定です。ですから、その内容は必ずしも特定と不特定とを問わないもの、そして接待交際費に該当しない内容のものを処理する勘定です。

【例】

※ 小額景品等 3000円以下のもの

※ 会議(商談を含む)に関連し茶菓子、弁当その他これらに類する飲食物を供与する昼食費程度の飲食費等

(注)会議費には、社内の会議、メーカー、得意先等との商談を含み、朝食、夕食をも含まれます。

※ 見本市及び展示会用の費用

【仕訳例】

※ 商談を含む会議費の支払

    (借方)  販売促進費    (貸方)  現金

【税務上の取り扱い】

※ 使途不明金(支払先不明、支払内容不明のもの)にたいする税法の取り扱い

役員 毎月一定額の場合 役員報酬(損金算入)で、源泉税の課税
毎月不定額の場合 社外流出は、損金不算入で、源泉税なし
役員賞与(損金不算入)で、源泉税の課税
使用人 益金に加算(その他流出)で、源泉税なし

租税特別措置法関係(法人税編)61の4(1)−1 〜 61の4(1)−24
法人税法基本通達9 −2−10、9 −2−11、9 −7−20

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