305、所得から差し引かれる金額(配偶者控除の控除額と控除対象配偶者の範囲)
306、所得から差し引かれる金額(配偶者控除と専従者控除との関係、配偶者の給与収入による所得)
307、所得から差し引かれる金額{配偶者控除(年の中途で再婚した場合、他の納税者の扶養親族にも当たる場合)}
308、所得から差し引かれる金額(配偶者特別控除)
309、所得から差し引かれる金額(扶養控除)
310、所得から差し引かれる金額(扶養親族の範囲)
311、所得から差し引かれる金額(扶養控除と障害者控除との適用)
312、所得から差し引かれる金額(扶養控除と専従者控除等の関係、公的年金等を受ける人がいる場合)
313、所得から差し引かれる金額(年の中途で生計を一つにしなくなった場合又は死亡した場合、納税者が2人以上いる場合の扶養控除の適用について)
314、所得控除の順序
315、税額の計算
316、税金から差し引かれる金額(配当控除)
317、税金から差し引かれる金額(配当控除の対象にならない配当所得)
318、税金から差し引かれる金額(住宅借入金等特別控除)
319、税金から差し引かれる金額(住宅借入金等特別控除の対象となる家屋、増改築等について)
320、税金から差し引かれる金額(控除の対象になる住宅借入金等)
321、税金から差し引かれる金額(控除の対象となる住宅借入金等の控除額の計算)
322、税金から差し引かれる金額{控除の対象となる住宅借入金等の控除額の計算(平成11年1月から3月居住分の特例)}
305、所得から差し引かれる金額(配偶者控除の控除額と控除対象配偶者の範囲)
所得から差し引かれる金額(配偶者控除の控除額と控除対象配偶者の範囲)について説明してください。
控除対象配偶者については、配偶者控除として下記の金額を所得から差し引くことができます。
♪1、一般の控除対象配偶者 38万円
一般の控除対象配偶者で同居特別障害者に該当する場合 73万円
♪2、老人控除対象配偶者 48万円
老人控除対象配偶者で同居特別障害者に該当する場合 83万円
控除対象配偶者の範囲に関しては、下記をご覧下さい。
♪1、控除対象配偶者
控除対象配偶者とは、自己の妻又は夫でその年の12月31日(年の中途で死亡した人については、その死亡の日)現在で生計を一つにする人であって、その年中の合計所得金額が38万円以下の人をいいます。
(注) 法定の婚姻の届け出を行っていない、内縁の妻などは、たとえ家族手当を支給されている場合であっても配偶者控除は受けられません。
♪2、老人控除対象配偶者
老人控除対象配偶者とは、控除対象配偶者のうち、その年の12月31日(年の中途で死亡した人については、その死亡の日)現在で年齢70歳以上の人(例:H13年12月31日現在で判断しますと、昭和7年1月1日以前に生まれた人です。)を言います。
♪3、同居特別障害者である控除対象配偶者
同居特別障害者である控除対象配偶者とは、特別障害者に該当する控除対象配偶者で、自己又は自己と生計を一つにする親族のいずれかの人と同居を常況としている人を言います。 同居を常況としているかどうかの判定は、その年の12月31日(年の中途で死亡した人については、その死亡の日)の現況で判断します。
配偶者控除と障害者控除との適用に関して下記を参考にしてください。
控除対象配偶者の態様の区分
|
配偶者控除額
|
障害者控除額
|
合 計
|
障害者に該当する人 |
特別障害者 |
同居
|
老人配偶者
|
83万円
|
40万円
|
123万円
|
一般配偶者
|
73万円
|
40万円
|
113万円
|
その他
|
老人配偶者
|
48万円
|
40万円
|
88万円
|
一般配偶者
|
38万円
|
40万円
|
78万円
|
一般の障害者
|
老人配偶者
|
48万円
|
27万円
|
75万円
|
一般配偶者
|
38万円
|
27万円
|
65万円
|
その他の人
|
老人配偶者
|
48万円
|
----
|
48万円
|
一般配偶者
|
38万円
|
----
|
38万円
|
306、所得から差し引かれる金額(配偶者控除と専従者控除との関係、配偶者の給与収入による所得)
所得から差し引かれる金額(配偶者控除と専従者控除との関係、配偶者の給与収入による所得)について説明してください。
所得から差し引かれる金額(配偶者控除と専従者控除との関係)に関しては、下記をご覧下さい。
家族従業員として青色申告専従者に該当する人で専従者給与の支払を受ける配偶者や白色申告者の事業専従者に該当する配偶者については、控除対象配偶者とすることはできないことになっています。
配偶者の給与収入による所得関しては、下記をご覧下さい。
配偶者がパートタイムなどで給与をもらっている場合、年間の収入金額が103万円以下であれば、給与所得控除後の所得金額が38万円以下となり、パートのほかに所得が無ければ、配偶者控除及び配偶者特別控除(所得金額が38万円の場合にはゼロです。以下同じです。
)が受けられます。(パートに給与収入金額が103万円を超えても、141万円未満であれば配偶者特別控除は受けられます。また、内職などをしている家内労働者に該当する配偶者の場合には、家内労働者等の所得計算の特例の適用を受けられます。特例を適用して計算した合計所得金額が38万円以下であれば、配偶者控除及び配偶者特別控除が受けられます。(その合計所得金額が38万円を超えても、76万円未満であれば配偶者特別控除は受けられます。)
※、家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例
家内労働者とは、その年分の事業所得の金額又は雑所得の金額(公的年金等にかかるものを除きます。)を計算する際に、一定の要件を満たせば、その所得に係る必要経費の合計額については、原則として65万円の最低保障が認められます。
適用対象となる家内労働者等の範囲については、下記をご覧下さい。
下記の(1)(2)のどちらにも該当する人を言います。
家内労働者、外交員、集金人、電力量計の検針人又は特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人で、事業所得、雑所得を有する人
(1) 家内労働者とは、物品の製造、加工、改造、修理、浄洗、選別、包装、解体、販売またはこれらの請負を業とする者から、主として労働の対償を得るために、その業務の目的物の物品(物品の半製品、部品、附属品又は原材料を含みます。)について委託を受けて、物品の製造、加工、改造、修理、浄洗、選別、包装、、解体に従事する人であって、その業務について同居の親族以外の者を使用しないことを常態とするものをいいます。
(2)事業所得の金額及び雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額の合計額が65万円(その人が給与所得を有しているときには、65万円から給与所得の金額の計算上控除する給与所得控除額を控除した残額)に満たない人
※ 特例の内容
その事業所得、雑所得に係る必要経費とされる金額は、下記の区分に応じ、それぞれ下記の金額とされます。
♪1、 事業所得、雑所得のいずれかの所得がある場合
必要経費とされる金額は、65万円(その人が給与所得を有していいるとき、65万円から給与所得控除額を控除した残額。以下同じです。)
♪2、 事業所得、雑所得の両方の所得がある場合
65万円のうち、事業所得の必要経費に相当する金額に達するまでの部分の金額を事業所得にかかる必要経費とされる金額とします。
(注) 雑所得の収入金額(公的年金等にかかるものを除きます。)が、雑所得に係る必要経費とされる金額に満たない場合には、その満たない部分の金額は事業所得にかかる必要経費とされる金額に加算します。
上記により必要経費とされる金額が事業所得の総収入金額又は雑所得(公的年金に係るものを除きます。)の総収入金額を超える場合には、必要経費とされる金額は、それらの収入金額が限度となります。
(注) この特例の適用を受けるには、下記の場合に応じてそれぞれ下記の手続きをします。
§1、事業所得のみを有する場合
青色申告の場合は青色申告書の青色申告控除前の所得金額の欄に、白色申告の場合は、収支計算書の所得金額の欄に、それぞれ収入金額からこの特例により計算した金額を控除した残額を書きます。その際に、その金額の頭部に(特)の表示をします。
§2、 雑所得のみ有する場合
この特例により計算した金額を確定申告書の所定の必要経費の欄に書きます。その際、その金額の頭部に(特)の表示をします。
§3、 事業所得、雑所得のいずれも有する場合、又は給与収入がある場合
この特例を受ける場合の計算書が設けられています。計算書に必要経費を記入し、確定申告書に添付します。
307、所得から差し引かれる金額{配偶者控除(年の中途で再婚した場合、他の納税者の扶養親族にも当たる場合)}
所得から差し引かれる金額{配偶者控除(年の中途で再婚した場合、他の納税者の扶養親族にも当たる場合)}について説明して下さい。
配偶者控除の適用を受ける場合で、年の中途で再婚した場合に関しては、下記をご覧下さい。
その年中に配偶者が死亡し、その年中に納税者が再婚した場合には、死亡した配偶者又は再婚した配偶者のうち納税者の選択した1人だけについて控除対象配偶者にすることができます。
上記の場合とは逆に、その年中に納税者が死亡し、その控除対象配偶者とされた配偶者でも、その年中に再婚した場合には、再婚相手の納税者の控除対象配偶者となることができます。
他の納税者の扶養親族にも当たる場合に関しては、下記をご覧下さい。
1人の納税者の控除対象配偶者に当たる人が、他の納税者の扶養親族にも当たる場合には、その1人の納税者が自己の控除対象配偶者として配偶者控除を受けることもできます。また、他の納税者がその人を扶養親族として扶養控除を受けることもできますが、そのいずれにするかは確定申告書や源泉徴収の際の扶養控除等申告書などに記載しなければなりません。
2人以上の納税者が同一人をそれぞれ自己の控除対象配偶者とし又は扶養親族として申告したときや、誰の控除対象配偶者又は扶養親族であるかを定められないときは、その夫又は妻である納税者の控除対象配偶者とすることになっています。
308、所得から差し引かれる金額(配偶者特別控除)
所得から差し引かれる金額(配偶者特別控除)について説明してください。
税法上、控除対象配偶者については、配偶者控除として下記の金額を所得から差し引くことができます。
♪1、控除対象配偶者の場合
♯1、その配偶者の合計所得金額が5万円未満の場合---------------38万円
♯2、その配偶者の合計所得金額が5万円以上38万円未満の場合
38万円−合計所得金額
♯3、その配偶者の合計所得金額が38万円の場合------------------0円
♪2、上記以外の配偶者の場合
♯1、その配偶者の合計所得金額が40万円未満の場合--------38万円
♯2、その配偶者の合計所得金額が40万円以上75万円未満の場合
38万円−(合計所得金額−38万円)
♯3、その配偶者の合計所得金額が75万円以上76万円未満の場合-----3万円
♯4、その配偶者の合計所得金額が76万円以上の場合---------------0円
(注1) 合計所得金額は、その金額が5万円の整数倍の金額でないとき、5万円の整数倍の金額で合計所得金額に満たないもののうち最も大きいい金額として計算します。
(注2) 合計所得金額−38万円は、その金額が5万円の整数倍の金額から3万円を控除した金額でいときは、5万円の整数倍の金額から3万円を控除した金額のうち、合計所得金額−38万円に満たない金額で最も多い金額として計算します。
(注3) 給与所得者は、年末調整で控除を受けます。給与所得者や配偶者の実際の所得金額が見積額と違って控除の適用の有無又は控除額に異動が生じた場合(原則として年末調整の再調整をします。それができないとき、確定申告で精算します。年末調整がされない給与所得者は、確定申告で控除を受けることになります。
(注4) 配偶者特別控除額を求める場合の配偶者の所得金額の計算においても家内労働者等の所得計算の特例の適用があります。
(注5) 控除対象配偶者である場合、給与収入が103万円以下(合計所得金額38万円以下)の人は、別途、配偶者控除が受けられます。
適用の対象とされる配偶者は、自己の妻又は夫でその年の12月31日(年の中途で死亡した人については、その死亡の日)現在で生計を一つにする人で、下記のいずれの要件にも該当しない人をいいます。
♪1、 他の人の扶養親族とされている人
♪2、 青色事業専従者に該当する人
♪3、 白色事業専従者に該当する人
(注) その年中には配偶者が死亡し、同年中に納税者が再婚した場合、又は納税者が死亡し、その配偶者が再婚した場合の取り扱いは、配偶者控除の場合と同じです。
この控除が受けられない場合に関しては、下記をご覧下さい。
♪1、 控除を受けようとする人の合計所得金額が1000万円を超える場合
♪2、 控除を受けようとする人の配偶者自身が納税者としてこの控除を受けている場合
●配偶者特別控除の法改正について
配偶者特別控除のうち、配偶者が控除対象配偶者に該当する場合に適用される部分(配偶者控除と重複して控除される部分)については、平成16
年分以後の所得税から適用廃止と改正されました。
合計所得金額が1,000 万円以下の所得者と生計を一にする配偶者の所得が76
万円未満(所得が給与所得のみの場合には、給与の収入が141 万円未満)である場合には、その配偶者の所得金額に応じた配偶者特別控除額(最高38 万円)を、所得者本人の所得金額から控除できる制度です。
法改正により、配偶者が控除対象配偶者に該当する場合(給与所得のみの場合には、給与の収入が103
万円未満)に適用される部分の配偶者特別控除については、その適用が廃止となります。
本改正は、平成16
年分以後の所得税から適用されますので、平成15 年分の所得税については、これまでと同様の控除が受けられます。
309、所得から差し引かれる金額(扶養控除額)
所得から差し引かれる金額(扶養控除額)について説明してください。
税法上の扶養親族については、扶養控除として1人につき下記の金額を所得から差し引くことができるようになっています。
♪1、一般の扶養親族
一般の扶養親族 38万円、 同居特別障害者に該当する場合 73万円
♪2、特定扶養親族
特定扶養親族 63万円、 同居特別障害者に該当する場合 98万円
♪3、老人扶養親族
(同居老親等以外) 48万円、 同居特別障害者に該当する場合 83万円
(同居老親等) 58万円、 同居特別障害者に該当する場合 93万円
(注) 年少扶養親族(年齢16歳未満の扶養親族)にかかる扶養控除額の割増の特例が平成12年度の改正で廃止されました。平成12年度以後の所得税に適用されます。このことにより、16歳未満の扶養親族には、(♪1)の一般扶養親族が規定が適用されます。
ただし、下記に掲げる場合には、経過措置として、従来どおり年少扶養親族にかかる扶養控除額の割増の特例が適用されます。
♯1、平成12年3月31日以前に、年少扶養親族に該当する扶養親族のいる人が死亡又はその扶養親族が死亡した場合
♯2、平成12年3月31日以前に、年少扶養親族に該当する扶養親族のいる人が出国により平成12年分の所得税の確定申告書を提出した場合
310、所得から差し引かれる金額(扶養親族の範囲)
所得から差し引かれる金額(扶養親族の範囲)について説明してください。
税法上の扶養親族とは、その年の12月31日(年の中途で死亡した人については、その死亡の日)現在で生計を一つにする親族(配偶者を除きます。)や里親に養育を委託された児童(いわゆる里子)及び養護受託者に養護を委託された老人のうち、その年中の合計所得金額が38万円以下の人であることをいいます。
特定扶養親族とは、扶養親族のうちその年の12月31日(年の中途で死亡した人については、その死亡の日)現在で年齢16歳未満の人をいいます。
老人扶養親族とは、扶養親族のうちその年の12月31日(年の中途で死亡した人については、その死亡の日)現在で年齢が70歳以上の人をいいます。
同居老親とは、老人扶養親族のうち、自己又は自己の配偶者の直系尊属(両親、祖父母)で、自己又は自己の配偶者のいずれかとの同居を常況としている人を言います。
同居をしているかどうかは、その年の12月31日(年の中途で死亡した人については、その死亡の日)現在で判断します。
同居特別障害者である扶養親族とは、特別障害者に該当する扶養親族うち自己又は自己の配偶者若しくは自己と生計を一つにする配偶者以外の親族、のいずれかの人と同居を常況としている人を言います。
同居をしているかどうかは、その年の12月31日(年の中途で死亡した人については、その死亡の日)現在で判断します。
【生計を一つにする親族について】
「生計を一つにする」ということは、必ずしも同一の家屋に起居していることを言うものではなくて、下記のような場合には、それぞれ下記の記載のように取り扱われます。
(1) 勤務、就学、療養等の都合上、他の親族と日常の起居をともにしていない親族がいる場合でも、下記の場合に該当するときは、これらの親族は生計を一つにするものとされています。
♪1、 他の親族と日常の起居をともにしていない親族が、勤務、就学等の余暇には他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合
♪2、 これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合
(2) 親族が同一の家屋に起居している場合、明らかにお互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一つにしているものとされます。
311、所得から差し引かれる金額(扶養控除と障害者控除との適用)
所得から差し引かれる金額(扶養控除と障害者控除との適用)について控除額を示してください。
税法上、所得から差し引かれる金額(扶養控除と障害者控除との適用)に関する控除額については、下記をご覧下さい。
扶養親族の態様区分
|
控除額の合計 |
扶養控除額
|
障害者控除 |
障害者に該当する人
|
特別障害者
|
同居
|
老人扶養親族
|
123万円
|
(老人扶養控除48万円)+(同居加算35万円) |
40万円 |
同居老親等
|
133万円
|
(老人扶養控除48万円)+(同居加算35万円)+(同居老親加算10万円) |
40万円 |
特定扶養親族 |
138万円
|
(特定扶養控除63万円)+(同居加算35万円) |
40万円 |
一般扶養親族 |
113万円
|
(扶養控除38万円)+(同居加算35万円) |
40万円 |
その他
|
老人扶養親族 |
88万円
|
(老人扶養控除48万円) |
40万円 |
特定扶養親族 |
103万円
|
(特定扶養控除63万円) |
40万円 |
一般扶養親族 |
78万円
|
(扶養控除38万円) |
40万円 |
一般の障害者
|
老人扶養親族 |
75万円
|
(老人扶養控除48万円) |
27万円 |
同居老親等 |
85万円
|
(老人扶養控除48万円)+(同居老親加算10万円) |
27万円 |
特定扶養親族 |
90万円
|
(特定扶養控除63万円) |
27万円 |
一般扶養親族 |
65万円
|
(扶養控除38万円) |
27万円 |
その他の人
|
老人扶養親族
|
48万円
|
(老人扶養控除48万円) |
―
|
同居老親等
|
58万円
|
(老人扶養控除48万円)+(同居老親加算10万円) |
―
|
特定扶養親族 |
63万円
|
(特定扶養控除63万円) |
―
|
一般扶養親族 |
38万円
|
(扶養控除38万円) |
―
|
312、所得から差し引かれる金額(扶養控除と専従者控除等の関係、公的年金等を受ける人がいる場合)
所得から差し引かれる金額(扶養控除と専従者控除等の関係、公的年金等を受ける人がいる場合)について説明してください。
所得から差し引かれる金額(扶養控除と専従者控除等の関係)については、下記をご覧下さい。
家族従業員として青色事業専従者に該当する者で専従者給与の支給を受けている親族や白色申告者の事業専従者に該当する親族については、扶養親族に該当しません。
公的年金等を受ける人がいる場合については、下記をご覧下さい。
公的年金等を受ける人が所得者の扶養親族などに該当するかどうかの判断は、その人の所得金額が、その年中の公的年金等の収入金額から公的年金控除額(年齢65歳以上の人は最低140万円、年齢65歳未満の人は最低70万円)を控除した残額(公的年金等以外の雑所得がある場合、その金額を加算します。)に他の所得の金額を加えた合計所得金額によります。(公的年金等に関しては、経理実務Q&A250、251、252をご覧下さい。)
よって、その所得が、公的年金等だけの人は、その年中の公的年金等の収入金額が年齢65歳以上の人は178万円以下、年齢65歳未満の人は、108万円以下であれば、合計所得金額が38万円以下となりますので他の生計を一つにする納税者の扶養親族として、扶養控除を受けることができます。
313、所得から差し引かれる金額(年の中途で生計を一つにしなくなった場合又は死亡した場合、納税者が2人以上いる場合の扶養控除の適用について)
所得から差し引かれる金額(年の中途で生計を一つにしなくなった場合又は死亡した場合)については、下記をご覧下さい。
その年中に親族が就職や離婚などで、生計を一つにしなくなったり、親族関係がなくなったりした場合については、扶養控除の適用は受けられません。
親族がなくなった場合は、その親族が死亡時において扶養親族に該当すれば、扶養控除の適用があります。
納税者が2人以上いる場合については、下記をご覧下さい。
生計を一つにする納税者が2人以上いる場合の扶養控除の適用は、そのすべての扶養親族を1人の納税者の所得から差し引いても、また、扶養控除を分けてそれぞれの納税者の所得から差し引いてもよいことになっています。そのいずれにするかは、確定申告書や源泉徴収等の申告書などに記載する必要があります。
2人以上の納税者が同一人をそれぞれ自己の扶養親族として申告した時や誰の扶養親族であるかを定められないときは、その年中に既に納税者の1人が先に提出した扶養控除等申告書などの記載によります。しかし、これによっても定められないときは、総所得金額が最も多い納税者の扶養親族とするこができます。
(注) 納税者自身にも控除額があります。納税者は、一律に基礎控除として38万円を所得から差し引くことができます。
314、所得控除の順序
所得控除の順序について説明してください。
税法上、総所得金額、分離課税の譲渡所得金額、申告分離課税の株式等の譲渡所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額から所得控除の金額を差し引くに際しては、所得控除相互の間に差し引く順序があり、それぞれの所得についても差し引かれる順序が定められています。
所得控除のうち雑損控除だけは、他の諸控除と区分して最初に所得金額から差し引きます。このことは、雑損控除の金額は他の控除と異なって、所得金額から引ききれない場合にはその引ききれない部分の金額を雑損失の控除不足額として翌年以降に繰り越し、翌年以降の所得計算の際に差引することが認められているからです。
雑損控除以外の控除については、別に順序はありませんが、所得控除は、総所得金額、特別控除額控除後の分離課税の長期譲渡所得の金額又は短期譲渡所得の金額、申告分離課税の株式等の譲渡所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額の順序で差し引きます。
総所得金額、特別控除額控除後の分離課税の長期譲渡所得の金額及び短期譲渡所得の金額、申告分離課税の株式等の金額、山林所得金額、退職所得金額のうち2以上の所得金額がある場合には、所得控除の金額は、まず総所得金額から差し引き、→特別控除額控除後の分離課税の短期譲渡所得の金額(最低40%課税のもの→最低20%課税のものの順に)及び特別控除額控除後の分離課税の長期譲渡所得金額(一般の土地建物等→優良住宅地の造成等のために譲渡した土地等→居住用財産にかかる長期譲渡所得の順に)、申告分離課税の株式等の譲渡所得等の金額、山林所得金額、から差し引き、なお引ききれない控除額がある場合、最後に退職所得金額から差し引きます。
所得金額から雑損控除の金額を差し引くことができない場合、その控除不足額を繰越雑損失の金額として翌年以降3年間に繰り越し、翌年以降の所得金額の計算時に差し引きすることが認められています。
315、税額の計算
所得税の税額計算は、総所得金額から各種控除額を差し引いた残額である課税総所得金額を基に計算します。
課税総所得金額は、申告書B第1表の所得金額の合計欄(9)から所得から差し引かれる金額の欄の(25)の金額を差し引いた(26)金額を言います。
課税総所得金額に対する税額の求め方は、課税総所得金額(26)に応ずる所得金額欄の税率を乗じて算出した金額から控除額を差し引いた金額が(27)欄の税額になります。
(例)
課税総所得金額\3,500,000−の場合の税額
課税される所得金額
|
A (税率)
|
B (控除額)
|
1,000円〜3,299,000円 |
10%
|
0円
|
3,300,000円〜8,999,000円 |
20%
|
330,000円
|
9,000,000円〜17,999,000円 |
30%
|
1,230,000円
|
税率は、税額表の3,300,000円から8,999,000円までの階層区分を適用して計算します。
3,500,000円×20%−330,000円=370,000円
316、税金から差し引かれる金額(配当控除)
税金から差し引かれる金額(配当控除)について説明してください。
税額控除としての配当控除は、国内に本店を有する法人から受け取った配当所得があるとき、法人税が配当支払前の法人所得について課税されていることの調整措置として、下記の金額をその年分の所得税の額(課税総所得金額、分離課税の課税長期譲渡所得または課税短期譲渡所得の金額、申告分離課税の株式等の課税譲渡所得等の金額、課税山林所得金額及び課税退職所得金額に対する税額の合計額)から差し引かれます。
下記の(1)(2)の課税総所得金額には、証券投資信託の収益の分配の金額を含めないで、1,000万円以下かどうかを判断します。
(注1)
(1)(2)の課税総所得金額に、分離課税の所得があるとき、分離課税用の申告書を使用する人は、課税総所得金額は、課税総所得金額及び分離課税の課税譲渡所得金額、申告分離課税の株式等の課税譲渡所得金額の合計額です。
(注2)
証券投資信託の収益の分配は、私募証券投資信託及び特定株式投資信託の収益の分配を除きます。
(1) 課税譲渡所得金額が1000万円以下の場合
配当所得の金額×10%=配当控除額
(例) 課税総所得金額が350万円、うち配当所得が450,000円の場合
450,000円×10%=45,000円 左記の45,000円が配当控除額です。
(2) 課税総所得金額が1000万円を超える場合(その超える部分の金額を<あ>とします。)
♪1、配当所得の金額≦<あ>のとき 配当所得の金額×5%=配当控除額
♪2、配当所得の金額 ><あ>のとき
配当所得の金額×10%−<あ>×5%=配当控除額
※ 私募証券投資信託等の収益の分配があるときの配当控除の適用について
私募証券投資信託(受益証券の募集が公募により行われた証券投資信託以外のもの)の収益の分配については、配当控除の適用にあったっては控除が1/2になり、外貨建て証券投資信託の収益の分配については1/4になります。(外貨建て資産等への運用割合が75%超の特定外貨建て証券投資信託の収益の分配については、配当控除の適用はありません。)この場合の配当控除額の計算には、私募証券投資信託等に係る配当控除額の計算書 を使用します。
317、税金から差し引かれる金額(配当控除の対象にならない配当所得)
税金から差し引かれる金額(配当控除の対象にならない配当所得)について説明してください。
配当所得のうち外国法人からの配当、建設利息、基金利息、特定目的会社からの配当、証券投資信託の収益の分配(私募証券投資信託及び特定株式投資信託の収益の分配は配当控除の対象になります。)証券投資法人から支払を受ける配当等、源泉分離課税の選択をした配当所得、確定申告をしないことを選択した小額配当所得は、配当控除の対象になりません。
上記の配当控除の対象とならない配当所得について、下記のように改正され、平成12年11月31日から適用されます。
証券投資信託の収益の分配が、公募投資信託等の収益の分配 と改められ、この公募投資信託等の収益の分配に係る配当所得の分離課税等 が適用される収益の分配{公募公社債等運用投資信託以外の公社債等運用投資信託の受益証券(外国投資信託の受益証券に限ります。)および社債的受益証券の収益の分配を除きます。}には配当控除が適用されなくなりました。
また、特定目的信託の収益の分配にも配当控除が適用されなくなりました。
318、税金から差し引かれる金額(住宅借入金等特別控除)
税金から差し引かれる金額(住宅借入金等特別控除)について説明してください。
住宅を取得して、その家屋(増改築等をした家屋については、その増改築等に係る部分。)をその人の居住の用に供した場合(住宅の取得等の日から6か月以内に居住の用に供した場合に限ります。)において、その人が住宅の取得等に係る一定の借入金又は債務(利息、割賦事務手数料のようなものは含まれない。)を有するときは、その居住の用に供した年以後6年間(平成11年位月1日から平成13年6月30日までに居住した場合は、15年間、平成13年7月1日から平成15年12月31日までに居住の用に供した場合は、10年間)の各年(居住の用に供した日以後その年の12月31日まで引き続き居住の用に供している年に限る。)のうち、その人の合計所得金額が3,000万円以下(平成7年から平成9年の期間に居住した場合は、2,000万円以下)である年については、住宅借入金等特別控除額がその年分の所得税の額から控除されます。
また、住宅借入金(取得)等特別控除を受けるためには、住宅の面積、所得金額、使用方法などのいろいろな要件に該当することが必要です。
(注1) 居住用家屋の取得が下記に該当する場合、住宅借入金等の特別控除を受けられません。
♪1、 贈与による取得
♪2、 配偶者その他その人と特別の関係にある下記の者(その取得の時においてその人と生計を一つにしていて、取得後も引き続き生計を一つにする者に限ります。)からの中古家屋又はその家屋とともにする敷地等の取得
♯1、 その人の親族
♯2、 その人とまだ婚姻の届け出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
♯3、 ♯1、♯2以外の者で、その人から受ける金銭その他の資産によって生計を維持していくもの
♯4、 ♯1〜♯3の者と生計を一つにするこれらの者の親族
(注2) 住宅借入金等特別控除を受けるためには、居住した日以後各年の12月31日(その年中に死亡した場合や、家屋が災害により居住できなくなった場合はその日)まで引き続き居住の用に供していいることが要件です。その引き続き居住の用に供しているとは、居住用家屋の取得等をした人が現に引き続いてその居住の用に供していることを言いますが、これに該当するかどうかの判断は下記のとおりです。
※1、 その人が、転勤、転地療養その他やむおえない事情により、配偶者、扶養親族その他その人と生計を一つにする親族と日常の起居を共にしなくなった場合において、その家屋にこれら親族が引き続き居住していて、そのやむおえない事情が解消した後はその人が共にその家屋に居住することになると認められるとき、その人がその家屋を引き続き居住の用に供しているものとします。
※2、 その家屋が居住の用に供された日の属する年以後6年以内(平成11年1月1日から平成13年6月30日までに居住した場合、15年以内)に、災害より一部損壊した場合において、その損壊部分の補修工事等のため一時的にその人が居住しない期間があっても、その期間については、その人が引き続き居住の用に供しているもんとします。
(注3) 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例制度
(1) 被災した控除対象住宅の残債務の特例
住宅取得等特別控除制度の対象となっている住宅が、大震災により居住の用に供することができなくなった場合、6年間の控除期間のうち残存期間について、引き続き住宅取得控除制度を適用することができます。
また、残存期間中に新たな住宅を取得等をした場合、住宅取得(借入金)等特別控除の要件に該当すれば、その住宅についても住宅取得(借入金)等特別控除が受けらます。控除限度額は、それぞれの借入金等の金額の合計額により計算します。
(2) 住宅の再取得等をした場合の控除額の計算の特例
自己の有する居住用家屋が大震災により居住の用に供することができなくなった人が、住宅借入金等特別控除の適用対象となる住宅の取得等(家屋の新築・取得については、居住の用に供することができなくなった日以後初めてのものに限ります。)をし、平成9年1月1日から平成13年12月31日までの間に居住の用に供した場合には、通常の住宅借入金等特別控除制度と下記の計算による控除額(控除期間は6年間)の選択適用です。
再建住宅借入金等の年末残額が1,000万円以下の場合は、その年末残額×2%
1,000万円以上2,000万円以下−−−−その年末残額×1%+10万円
2,000万円超(最高3,000万円)−−−−その年末残額×0.5%+20万円
※、 (1)の控除の継続適用の特例を受けている人が、(2)の控除額の特例を受ける場合の控除額の計算は、住宅借入金等の年末残高の合計額により計算します。
319、税金から差し引かれる金額(住宅借入金等特別控除の対象となる家屋、増改築等について)
税金から差し引かれる金額(住宅借入金等特別控除の対象となる家屋、増改築等)について説明して下さい。
住宅借入金等特別控除の適用対象となる新築家屋や中古家屋又は増改築等の要件については下記のとおりです。
居住の用に供した年により要件が少し異なります。ここでは、平成11年から平成13年の間に居住した場合について掲載させて頂きます。
居住の用に供する家屋を2以上有する場合は、そのうち主として居住の用に供すると認められる一つの家屋に限り適用対象になります。
(1) 新築家屋の要件について
♪1、 床面積基準
(A)、 1棟の家屋で床面積が50u以上
(B)、 1棟の家屋で、その構造上区分された数個の部分を独立して居住その他の用途に供することができるものにつき、その各部分を区分所有する場合には、その区分所有する部分の床面積が50u以上
♪2、 その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が、専らその人の居住の用に供されるものであること
(2) 中古家屋の要件について
♪1、 その家屋は建築後使用されたことのあるものであること
♪2、 (1)の(A)床面積基準および(B)用途基準の要件を満たすものであること
♪3、 その家屋が耐火建築物(建物登記簿に記載されたその家屋の構造のうち建物の主たる部分の構成材料が石造り、レンガ造り、コンクリートブロック造り、鉄骨造り、鉄筋コンクリート造り、鉄骨鉄筋コンクリート造りのものをいいます。)である場合には、その取得の日以前25年以内に建築されたものであること、また、その家屋が耐火建築物以外の建築物である場合には、その取得の日以前20年以内に建築されたものであること
(3) 増改築の要件について
その人の所有している家屋でその居住の用に供しているものにつき行う下表の増改築等の工事で、その工事がこれらの工事に該当することにつき一定の証明がされたもの(その工事と併せて行うその家屋と一体となって効用を果たす設備の取り替え又は取り付けに係る工事を含みます。)で下記の(A)から(C)の要件を満たすもの
※1、 単独家屋の増改築等の工事
♪1、 増築、改築、建築基準法い規定する大規模の修繕又は大規模の模様替え
♪2、 家屋の1室(居住、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関、廊下、)の床又は壁の全部について行う修繕又は模様替え
※2、 区分所有家屋の増改築等の工事
♪1、 家屋のうちその人の区分所有する部分について、下記のいずれかのものの過半について行う修繕又は模様替え
♯1、 主要構造部である床および最下階の床又は主要構造部分である階段
♯2、 間仕切り壁の室内に面する部分(間仕切り壁の一部について位置の変更を伴う修繕又は模様替えに限ります。)
♯3、 主要構造部である壁の室内に面する部分(遮音又は熱の損失の防止のための性能を向上させる修繕又は模様替えに限ります。)
♪2、 家屋のうちその人の区分所有する部分の1室(居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関、廊下、)の床又は壁の全部について行う修繕又は模様替え
(A) 増改築等に係る工事に要した費用の額が100万円超であること
(B) 増改築等に係る部分のうちにその人の居住の用以外の用に供する部分がある場合には、居住の用に供する部分の工事に要した費用の額が全体の工事費用の額の2分の1以上であること
(C) 増改築等をした後の家屋(区分所有家屋は、その人が区分所有する部分)の床面積が50u以上であること
(注) 店舗併用住宅等が上記の床面積基準に該当するかどうかを判断する場合、下記のことを参考にして下さい。
♪1、 その家屋(区分所有家屋の場合には、その人の区分所有する部分)の一部がその人の居住の用以外の用に供されている場合には、その居住以外の用に供される部分の床面積を含めたその家屋全体の床面積により判断します。
併用住宅等の増改築等の工事費用が100万円超かどうかオ判断は、その人の居住用以外の部分を含めた全体の費用の額により判断します。
♪2、 その家屋が共有である場合には、その家屋の床面積にその人の持分割合を乗じて計算した床面積ではなく、その家屋全体の床面積により判断します。
320、税金から差し引かれる金額(控除の対象になる住宅借入金等)
税金から差し引かれる金額(控除の対象になる住宅借入金等)について説明してください。
税法上の住宅借入金等特別控除の対象になる住宅借入金等は、下記に掲載します区分に応じてそれぞれに掲げる借入金又は債務(利息に相当するものを除きます。)で償還期間又は賦払期間が10年以上のものを言います。
※ 控除の対象になる住宅借入金等
♪1、家屋の新築・購入したとき
下記の(1)から(3)の借入金又は(4)から(9)の債務
※ 家屋の新築と共にその家屋の敷地を購入をした場合(敷地の用に供される土地又はその土地の上に存する権利をいいます。)
♪2、家屋とその家屋の敷地を一括して購入したとき
下記の(1)、(3)の借入金又は(4)、(6)から(9)の債務
♪3、家屋の新築の日前2年以内にその家屋の敷地を購入したとき
下記の(10)の借入金(♪4から♪6に該当するものを除きます。)又は債務
♪4、家屋の新築の日前に3か月以内の建築条件付きでその家屋の敷地を購入したとき
下記の(11)の借入金(♪6に該当するものを除きます。)
♪5、家屋の新築の日前に一定期間内の建築条件付でその家屋の敷地を購入したとき
下記の(12)の借入金(♪6に該当するものを除きます。)又は債務
♪6、家屋の新築の日前にその新築工事の着工の日後に受領した借入金でその家屋の敷地を購入したとき
下記の(13)の借入金
※ 増改築等をした場合
♪7、増改築等をした場合
下記の(1)、(2)の借入金又は(5)、(6)、(9)の債務
(1)
下記に掲載します金融機関等からの借入金のうち家屋の新築や購入又は増改築に要する資金に利用するために借り入れしたもの、および家屋と一括して購入したその家屋の敷地の購入に要する資金に係る部分
♯1、 金融機関
銀行、信用金庫、労働金庫、信用協同組合、農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、商工組合中央金庫、生命保険会社、損害保険会社、信託会社、農林中央金庫、信用金庫連合会、労働金庫連合会、火災共済協同組合、火災共済協同組合連合会、共済水産業協同組合連合会、、信用協同組合連合会
♯2、 住宅金融公庫、地方公共団体、沖縄振興開発金融公庫、年金福祉事業団、国家公務員共済組合、国家公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団、地方公務員共済組合、農林漁業団体職員共済組合、北方領土問題対策協会、厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成8年法律82)附則第48条第1項に規定する指定基金
(NTT厚生年金基金)
♯3、 貸金業を行う法人で、家屋の建築や購入に必要な資金の長期貸付の業務を行う貸金業者
上記の貸金業を行う法人は、専ら住宅資金の長期貸付を行うほか、貸金業を行う法人で、その業務の一部として住宅資金の長期貸付を行うものも含まれます。
♯4、 事業団体、福利厚生会社(雇用、能力開発機構からの転貸し貸付の資金に係る部分に限ります。)
♯5、 厚生年金保険の被保険者に対しで住宅資金の貸し付けを行う一定の法人等(年金福祉事業団からの転貸貸し付けの資金に係る部分に限られます。)
♯6、 給与所得者の使用者
♯7、 公共福利厚生法人(公共法人や地方公共団体に勤務する給与所得者の福利厚生に関する業務を行う一定の法人。)
全国にある国税局管内で該当法人が定められていますので、御確かめ下さい。
(2)
家屋の新築、増改築等の工事を請け負わせた建設業者から、その工事の請負代金に使用するために借り入れた借入金
(3)
宅地建物取引業者から購入した家屋の購入の対価、宅地建物取引業者から家屋と一括して購入したその家屋の敷地の購入の対価に使用するためにその宅地建物取引業者から借り入れた借入金
(4)
貸金業者、宅地建物取引業者である法人で、家屋の新築工事の請負代金や新築家屋の購入の対価又はその家屋と一括して購入するその家屋の敷地の購入の対価の支払の代行を業とするものから、その請負代金が建設業者に支払われたこと又はそれらの購入の対価がその家屋やその家屋の敷地を譲渡した者に支払われたことによって、その法人に対して負担する債務
(5)
家屋の新築又は増改築等の工事を請け負わせた建設業者に対するその工事の請負代金に係る債務
(6)
宅地建物取引業者、都市基盤整備公団、地方住宅供給公社、地方公共団体、日本勤労者住宅協会、国家公務員共済組合、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合に対する家屋の購入の対価、家屋と一括して購入したその家屋の敷地の購入の対価又は増改築等に要する費用に係る債務
(7)
下記の者から購入した新築家屋の購入の対価又は新築家屋と一括して購入したその家屋の敷地の購入の対価に係る債務
♪1、 事業主団体又は福利厚生会社(雇用、能力開発機構からの分譲貸付の資金に係る部分に限られます。)
♪2、 厚生年金保険又は国民年金保険の被保険者等に住宅を分譲する一定の法人等(年金福祉事業団からの分譲貸付の資金に係る部分に限られます。)
(8)
下記の者を当事者とする中古家屋の購入又はその家屋と一括して購入したその家屋の敷地の購入に係る債務の承継に関する契約に基づく債務
♪1、 都市基盤整備公団、地方住宅供給公社、、日本勤労者住宅協会
♪2、 厚生年金保険又は国民年金保険の被保険者等に住宅を分譲する一定の法人等(年金福祉事業団からの分譲貸付の資金に係る部分に限ります。)
(9)
給与所得者の使用者に対する債務(家屋の新築や購入の対価、その家屋と一括して購入したその家屋の敷地の購入の対価又は増改築等に要する費用に係る債務)
(10)
家屋の新築の日前2年以内に購入したその家屋の敷地の購入に要する資金に充てるために下記の§1から§3に掲げる者から借り入れた借入金又は家屋の新築の日前2年以内に§3に掲げる者から購入したその家屋の敷地の対価に係るこれらの者に対する債務で、一定の要件を満たすもの((11)から(13)に該当する借入金を除きます。)
§1、 金融機関、地方公共団体、貸金業者
§2、 国家公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団、農林漁業団体職員共済組合、(1)の♯2の指定基金、公共福利厚生法人
§3、 国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、給与所得者の使用者
一定の要件を満たすものいついて
§1に掲げる者からの借入金については下記の♪1、♪2のいずれかに該当するもの(§2)若しくは(§3)に掲げる者からの借入金又は(§3)に掲げる者に対する債務については、下記の♪1から♪3のいずれかに該当するものをいいます。
♪1、 その借入金の貸し付けをした者又はその敷地の譲渡の対価に係る債務を有する者のそれらの債権を担保するためにその新築家屋を目的とする抵当権の設定がされたこと
♪2、 その借入金又はその敷地の購入の対価に係る債務保証をする者又はそれらの債務の不履行により生じた損害を填補することを約する保険契約を締結した保険者のその保証又はその填補に係る求償権を担保するためにその新築家屋を目的とする抵当権の設定がされたこと
♪3、 その借り入れをした者又はその敷地の購入者が、その敷地の上にその者の居住の用に供する家屋を一定期間内に建築することをその貸付又は譲渡の条件としており、かつ、その家屋の建築および敷地の購入がその貸付又は譲渡の条件に従ってされたことにつきその借入金の貸し付けをした者又はその敷地の譲渡の対価に係る債権を有する者の確認を受けているものであること
(11)
宅地建物業者から宅地の分譲にかかる一定の契約に従って家屋の新築の日前にその家屋の敷地を購入した場合(その契約に従ってその家屋の新築工事の請負契約が成立している場合に限られます。)で、その家屋の敷地の購入に要する資金に使用するために(10)に掲載しました業者等から借り入れた借入金{(13)に該当する者を除きます。}
※ 宅地の分譲に係る一定の契約とは、下記の♪1、♪2の事項が定められているものをいいます。
♪1、 その宅地の購入者と宅地建物取引業者又はその販売代理人との間において、その宅地の購入者がその宅地の上に建築する住宅の用に供する家屋の建築工事の請負契約がその宅地の分譲に係る契約の締結の日以後3か月以内に成立することがその宅地の分譲に係る契約成立条件になっていること
♪2、 ♪1の条件が成立しなかったときは、その宅地の分譲に係る契約は成立しないものであること
(12)
都市基盤整備公団等(都市基盤整備公団、地方公共団体、地域振興整備公団、地方住宅供給公社、土地開発公社をいいます。)から宅地の分譲に係る一定の契約に従って家屋の新築の日前に購入したその家屋の敷地の購入に要する資金にするために(10)に掲げる者から借り入れした借入金((13)に該当する者を除きます。)
敷地の購入の対価に係る都市基盤整備公団等に対する債務
※ 宅地の分譲に係る一定の契約とは、下記の♪1、♪2の事項が定められているものをいいます。
♪1、 その宅地の購入者がその宅地の上にその者の住宅の用に供する家屋を購入の日以後一定期間内に建築することを条件として購入するものであること
♪2、都市基盤整備公団等はその宅地の購入者が♪1の条件に違反したとき、その宅地の分譲にかかる契約を解除し、またはその宅地を買い戻すことができること
(13)
家屋の新築に要する資金およびその家屋の敷地の購入に要する資金にするため、下記に掲げる者から借り入れた借入金で、その家屋の新築工事の日以後に受領したもの
♪1、 住宅金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、年金福祉事業団、北方領土問題対策協会
♪2、 国家公務員共済組合、地方公務員共済組合(勤労者財産形成持家融資にかかるものに限られます。)
♪3、 事業主団体や福利厚生会社(雇用、能力開発機構からの転貸し貸し付けの資金にかかる部分に限られます。)
♪4厚生年金保険の被保険者に対して住宅資金の貸し付けを行う一定の法人等(年金福祉事業団からの転貸し貸し付けの資金に係る部分に限られます。)
♪5、 給与所得者の使用者(雇用、能力開発機構、年金福祉事業団からの転貸し貸し付けの資金に係る部分に限られます。)
※
(1)から(13)に掲げる借入金や債務でも、下記の4つに掲げる場合に該当するもんは、控除の対象になりませんので注意してください。
♯1、 家屋の新築の日前に購入したその家屋の敷地の購入に係る借入金や債務の年末残高のみがあり、その家屋の新築に係る借入金や債務の年末残高がない場合
♯2、 給与所得者が使用者又は事業主団体から、使用人である地位に基づいて貸し付けを受けた借入金又は債務につき支払うべき利息がない場合又はその利息の利率が年1%未満の場合
♯3、 給与所得者が使用者又は事業主団体から、使用人である地位に基づいて借入金や債務にかかる利息に充てるために支払を受けた金額がその利息の額と同額である場合又はその利息の額から支払を受けた金額を控除した残額を利息であると仮定して計算した利率が年1%未満である場合
♯4、 給与所得者が使用者又は事業主団体から、使用人である地位に基づいて家屋又は敷地を時価の2分の1未満の価額で譲り受けた場合
321、税金から差し引かれる金額(控除の対象となる住宅借入金等の控除額の計算)
税金から差し引かれる金額(控除の対象となる住宅借入金等の控除額の計算)について説明してください。
控除の対象となる住宅借入金等の控除額の計算は、居住の用に供した日によりその取り扱いが異なります。下記をご覧下さい。
※1、 居住の用に供した日
居住の用に供した日が、平成11年中、平成12年中、平成13年6月30以前については、下記に掲げるとおりです。
♪、1年〜6年目の計算式
住宅借入金等の年末残高合計額(最高5000万円)×1%(最高控除額年50万円)
♪、7年〜11年目の計算式
住宅借入金等の年末残高合計額(最高5000万円)×0,75%(最高控除額年37,5万円)
♪、12年〜15年目の計算式
住宅借入金等の年末残高合計額(最高5000万円)×0,5%(最高控除額年25万円)
※2、 居住の用に供した日
居住の用に供した日が、平成13年7月1日以降の場合
♪、1年〜6年目の計算式
住宅借入金等の年末残高合計額(最高3000万円)
住宅借入金等の年末残高合計額(2000万円以下の場合)×1%
住宅借入金等の年末残高合計額(2000万円超の場合)×0,5%+10万円(最高控除額年25万円)
322、税金から差し引かれる金額{控除の対象となる住宅借入金等の控除額の計算(平成11年1月から3月居住分の特例)}
税金から差し引かれる金額{控除の対象となる住宅借入金等の控除額の計算(平成11年1月から3月居住分の特例)}について説明してください。
住宅を購入して平成11年1月1日から平成11年3月31日までの間に居住の用に供した場合、選択により、経理実務Q&A321の控除期間および控除額の計算式に代えて、下記のように取り扱うことができます。
この特例を選択適用を受ける人が、その家屋を増改築して、平成11年中にその居住の用に供したような場合は、これらの平成11年居住分の住宅借入金等の金額のすべてについてこの特例による選択と同じ選択をする必要があります。
♪、1年〜3年目の計算式
住宅借入金等の年末残高合計額(最高3000万円)
住宅借入金等の年末残高合計額(1000万円以下の場合)×2%
住宅借入金等の年末残高合計額(1000万円超2000万円以下の場合)×1%+10万円
住宅借入金等の年末残高合計額(2000万円超の場合)×0,5%+20万円(最高控除額年35万円)
♪、4年〜6年の計算式
住宅借入金等の年末残高合計額(最高3000万円)
住宅借入金等の年末残高合計額(2000万円以下の場合)×1%
住宅借入金等の年末残高合計額(2000万円超の場合)×0,5%+10万円(最高控除額年25万円)
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