D・・・・この限りでない
国税徴収法
(質権及び抵当権の優先額の限度)
第18条
前3条の規定に基づき国税に先だつ質権又は抵当権により担保される債権の元本の金額は、その質権者又は抵当権がその国税に係る差押又は交付要求の通知を受けた時における債権を限度とする。ただし、その国税に優先する他の債権を有する者の権利を害することとなるときは、この限りでない。
法人税法
(内国普通法人等の清算中の所得の非課税)
第6条
内国法人である普通法人又は協同組合等の清算中に生じた各事業年度の所得については、前条の規定にかかわらず、各事業年度の所得に対する法人税を課さない。
ただし、これらの法人で清算中のものが継続し又は合併により消滅した場合におけるその清算中に生じた各事業年度の所得については、この限りでない。
法人税法
(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)
第57条
確定申告書を提出する内国法人の各事業年度開始の日前5年以内に開始した事業年度において生じた欠損金(この項の規定により当該各事業年度前の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの及び第81条(欠損金の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となったものを除く。)がある場合には、当該欠損金額に相当する金額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。ただし、当該欠損金額に相当する金額が当該欠損金額につき本文の規定を適用しないものとして計算した場合における当該事業年度の所得の金額(当該欠損金額の生じた事業年度前の事業年度において生じた欠損金に相当する金額で本文は次条第1項の規定により当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されるものがある場合には、当該損金の額に算入される金額を控除した金額)をこえる場合は、そのこえる部分の金額についてはこの限りでない。
この限りでない
この表現は、ある事柄についてその前に出てくる規定の全部又は一部の適用することを打ち消す場合に用いられる語で、主文章(本文)の後に「ただし」で始まる文章(ただし書)における述語として、主文章の規定の除外例を示すのに用いられる。
「○○についてはこの限りでない」という場合の○○に係る規定を消極的に否定しているだけで、新しい事柄を積極的にいっているものでなくそれならどうするかという別の「規定をそこに盛り込むものでないことに注意を要します。また本文のうちどの部分を否定し、打ち消すのか不明瞭な場合もあるので注意をしなければならないが、税法ではそのような解釈適用上の誤解をなくすため否定されるべき本文の規定やその条件を明示するように配慮している。(法人税法57条一項)要するに「本文の規定を適用する限りでない」すなわち「本文の規定の適用がない」ということです。