10.機械設備の一部除却損失
(問)
私は、パン、菓子類の製造販売業者です。製造設備(取得価格300万円)の減価償却は、耐用年数省令別表第二の「機械及び装置の耐用年数表」の9年の定額法(償却率0,111)で処理してきました。4年がたち、現段階で装置の一部(当初取得価格30万円)を取替て新しくすることにしました。この場合、機械装置の一部を除却した部分の帳簿価格はどのように計算すればよいですか。
(A)総合償却資産は、これを構成する多くの機械設備を総合して一つの耐用年数によって減価償却を行いますから、個々の資産の帳簿価格がわからないのが普通でしょう。そこで、定率法では、総合償却資産を構成する個々の資産を除却したときは、損益計算の基礎となる個々の資産の帳簿価格は、その除却した個々の資産の取得価格の5%を、除却損失額として損金算入します。
損金算入額は、30万円x5%=15,000円となります。
しかし、かなり早い時期に除却したり、又は定額法の場合はこの5%除却方法では実情に沿っていないので、下記のような方法が認められています。
(あ)
対象となる総合減価償却資産につき計算された償却費の累計額を、個々の資産の取得価格の比等により配賦し、その配賦された償却費の額を個々の資産の取得価格から控除した簿価(残額)を除却損失価格とする。
(い)
上記(あ)の配賦計算が行われていないときは、その総合償却資産について適用される耐用年数を基礎として、個々の資産の減価償却累計額を計算し、その簿価(未償却残額)を除却損失価格とする。
よって、ご質問のケースは、(い)の方法によって一部除却損失額を計算します。
30万円-(30万円x0,9x0,111x4年)=180,120円が除却損として必要経費に損金算入できることになります。
実務Q&A