実務Q&A

14.休業期間中の工場の維持管理費用

問 
私は製造業を営んでいますが、不況のため1か月間工場を閉鎖しました。この間、収入がなくても、工場の雇い人の給料、水道光熱費、通信費等の支払をしました。このような休業期間中に支払った費用を必要経費に算入することはできませんか。また、この期間の機械の減価償却費は、必要経費に算入できますか。

 
開業前や廃業後の費用は、現実に所得を得るための業務が存在しないのですから、業務上の費用性もないと考えられますので、原則として必要経費として損金算入をすることはできません。
 所得が生ずる業務が存在するかどうかは、収入の有無に関係なく、受注があればいつでもそれに応じて収入をあげることができる状態を保っているかどうかにより判断します。従って、製品の原価を構成する工場の直接または間接の人件費、光熱費、通信費などにといては休業期間中に支出したものであっても、原価外の処理として一般管理費に計上して必要経費に損金算入が認められています。
 稼動を休止している機械でも、その休止期間中に必要な維持や補修を行っており、いつでも稼動できる状態に保たれている場合には、減価償却を行えます。

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