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商品売買 未着品売買 商品を仕入れる場合に、商品より先に船荷証券、貨物引換証などの貨物代表証券を受け取る場合があります。この貨物代表証券を所有した時点から商品の所有権を持つことになりますが、実際の商品はまだ手元にありません。よってこの商品は、今、手元にある商品と区別して記帳します。用いる勘定は未着品勘定(資産の勘定)です。この勘定の借方に記入しておき、商品が到着して貨物代表証券と引き換えたら、仕入勘定に振り替えます。 【例】 1. 北海商店から、注文した商品の船荷証券を受け取った。 2. 上記の甲商品が到着し、船荷証券と引き換えに引き取った。なお、引取費用¥7,000は現金で支払った。 3. 上記の乙商品を徳商店に船荷証券のまま¥550,000で売却し、代金は同店振出しの約束手形で受け取った。 (仕訳)
●参考 1. 船荷証券を受け取ったときは、手持ち商品と区別するために未着品勘定の借方に記入します。まだ商品が到着していないから仕入勘定への記入は不要です。貸方の記入は、特に問題文では、指示されていない(ふれていない)ので、買掛金勘定の貸方にその金額を記入します。 2. 商品が到着して引き取ったので、未着品勘定から仕入勘定に振り替え仕訳を行えばよい。なお、引取費用は、仕入に含めて記入します。 3‐1 船荷証券のままで商品を売却した場合の仕訳を問う問題です。 3‐2 未着品を仕入勘定に振り替え記入するのは、ほかの商品と合計して売上原価を計上するためです。これは、会計期末(決算時)に仕入勘定で売上原価を計算するためです。費用に対応する収益は、未着品売上勘定の貸方に記入し、受け取り代金は、受取手形勘定の借方に記入します。試験では、この仕訳のほうがよく出題されます。 委託販売・受託販売 委託販売は、商品を他の地方で販売する場合、各地方の商店や問屋に販売を委託して行う販売をいいます。委託販売の目的で先方に商品を送ったときは、その発送した商品の原価で仕入勘定から積送品勘定(資産の勘定)の借方へ振り替えておきます。そして、その商品が売れたら、再度、積送品勘定から仕入勘定の借方に振り替えます。貸方記入は、売上勘定に記入します。 【例】 1. 甲商店は、乙商店に商品の販売を委託し、商品(原価)¥600,000を発送し、この発送費用¥5,000を現金で支払った。 2. 乙商店は、上記の受託品を引き取り、引取費用¥5,000を現金で支払った。 3. 乙商店は、上記の受託品を¥860,000で掛売した。 4. 乙商店は、上記の引取費のほか雑費¥10,000、手数料¥40,000を差引き、手取金¥805,000を小切手を振出して送金した。 5. 甲商店は、売上計算書(売上高¥860,000、諸掛¥55,000)とともに手取金¥805,000を送金小切手で受け取った。 (仕訳)
●参考
1. 商品の販売委託のために発送した商品は、保有商品(手元の在庫商品)と区別するために、仕入勘定から積送品勘定に振り替えます。このとき発送に要した費用は積送品勘定に含めます。積送品原価=積送品の仕入金額+積送費用となります。積送費用も含めた金額を売上代金として回収しないと損失が生じることになります。 2. 受託者が支払った商品の引取費用は、委託者への立替であり債権です。よって受託販売勘定の借方に記入します。受託品は、通常、受託者に所有権がないから自己の仕入商品と区別できるように、備忘記録を行うようにするから、仕訳はしていません。対照勘定を用いて記帳する方法もあります。(借)受託品¥600,000(貸)受託販売未払金¥600,000と仕訳します。 3. 受託商品を販売すると、代金の掛売、委託者へ送金義務が生じます。代金の掛売は売掛金勘定の借方に記入し、委託者への送金義務は、受託販売勘定の貸方に記入します。 4. 受託者は、販売手数料や立替諸費用は委託者に請求できる債権です。よってこれらは、受託販売勘定の借方に記入します。委託者への送金額は、委託者への送金義務の減少(消滅)ですからこの金額も受託販売勘定の借方に記入します。一方、貸方の記入としては、送金した手取り代金は、当座預金勘定の貸方に記入し、受取手数料は、受取手数料勘定の貸方に記入し、立替諸費の雑費は、雑費勘定の貸方に記入します。この雑費は、後日(借方)(雑費)¥10,000(貸方)(現金)¥10,000の仕訳が発生すると考えて、貸方に記入します。 5.-1 積送品を販売委託した委託者から手取金を受け取ったときは、売上計上し、積送品勘定から仕入勘定に振り替える仕訳をします。この例で売上は、積送品売上勘定を用いその貸方に手取金¥805,000を記入します。積送品は、再度、仕入勘定の借方に振り替えるのは、決算時(会計期末)に、通常、仕入勘定で売上原価を計算するので、他の仕入と一緒に売上原価を計算するためです。試験では、この仕訳の方がよく出題されます。 5-2 委託者から手取金を小切手で受け取ったので、現金勘定の借方¥805,000記入します。貸方の方は、積送品の減少(消滅)で、その勘定の貸方に¥605,000を記入します。この現金勘定記入額(¥805,000)と積送品勘定記入額(¥605,000)の差額¥200,000は、積送品売買益ですから、その勘定の貸方に記入します。 5-2 の勘定記入
5-1 の勘定記入
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