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固定資産

固定資産の売却

間接法で記帳している固定資産を売却したときは、その取得原価をその固定資産の勘定の貸方に記入します。そして、減価償却累計額を減価償却累計額勘定の借方に記入します。また、帳簿価格と売価の差額は、固定資産売却益勘定または固定資産売却損勘定に記入します。
帳簿価格の求め方(間接法で記帳している場合)
 帳簿価格=取得価格−減価償却累計額

減価償却額の求め方(定率法)と各年度の期末帳簿価格(期末簿価)の計算
初年度の償却費・・・・・取得価格(取得原価)×定率(減価償却率)×月数/12
              取得価格−初年度償却費=帳簿価格(期末簿価)
2年度の償却費・・・・・・初年度期末簿価×定率=2年度償却費
              初年度期末簿価−2年度償却費=2年度期末簿価
3年度の償却費・・・・・・2年度期末簿価×定率=3年度償却費
              2年度期末簿価−3年度償却費=3年度期末簿価
4年度以降も前年度と同様の方法で計算します。

【例】

1. 平成4年4月10日に購入した備品(取得原価¥3,500,000)を平成7年4月5日に売却し、代金¥1,500,000を小切手で受け取り直ちに当座預金とした。
(耐用年数8年、償却方法(定率法で償却率0,250)、間接法で記帳、当社決算日3月末日(年1回)

2. トラック(営業用、取得原価¥2,500,000、残存価格¥250,000、耐用年数5年、定額法、間接法で処理)を3年間使用(減価償却費は毎期継続して期末に計上)してきたが、このトラックを¥800,000で売却し、なお、代金は月末に受け取る約束になっている。

(仕訳)

1

(借方)減価償却累計額

2,023,437

(貸方) 備品

3,500,000

     当座預金

1,500,000

     固定資産売却益

23,437

2

    減価償却累計額

1,350,000

     車両運搬具

2,500,000

    未収金

800,000

    固定資産売却損

350,000

●参考

1. 減価償却費、期末簿価、減価償却累計額
平成5年3月末日・・・・¥3,500,000×0,250=¥875,000(当期償却費)
   期末簿価・・・・・・¥3,500,000−¥875,000=¥2,625,000

平成6年3月末日・・・・¥2,625,000×0,250=¥656,250(当期償却費) 
   期末簿価・・・・・・¥2,625,000−¥656,250=¥1,968,750

平成7年3月末日・・・・¥1,968,750×0,250=¥492,187(当期償却費)
   期末簿価・・・・・・¥1,968,750−¥492,187=¥1,476,563

減価償却累計額・・・・¥875,000+¥656,250+¥492,187=¥2,023,437

備品を売却したので、備品勘定の貸方に¥3,500,000を記入し、借方は、減価償却累計額勘定に¥2,023,437を記入します。
固定資産売却益の計算: 売却代金¥1,500,000−期末簿価¥1,476,563=¥23,437

2. 減価償却費の計算

(¥2,500,000×0,9)÷5=¥450,000 (定額法のよる当期償却費)
¥450,000×3=¥1,350,000 (減価償却累計額)

売却によってトラック一台減少(車両運搬具)、よって車両運搬具勘定の貸方に減少分の金額¥2,500,000を記入します。借方は、売却したトラックの減価償却累計額¥1,350,000を記入します。売却代金は、月末受領だから未収金勘定の借方に、¥800,000を記入します。固定資産売却損の計算
¥2,500,000(取得原価)−¥1,350,000(減価償却累計額)=¥1,150,000 (帳簿価格)
¥800,000(未収金)−¥1,150,000(帳簿価格)=−¥350,000(売却損)

建設仮勘定

建物や構築物を建設するには、完成まで日数がかかります。この建設中に建設費の一部代金を支払った場合に記入する勘定が、建設仮勘定です。建物が完成して引渡しが行われたら、各勘定に振り替えます。

【例】

1. 大阪建設に営業所の建築を¥7,000,000で請け負ってもらい、代金の一部¥2,000,000を小切手を振出して支払った。

2. 上記の建物が完成したので、請負代金の残額を小切手を振出して支払い、引渡しを受けた。

(仕訳)

1.(借方)建設仮勘定

2,000,000

(貸方)当座預金

2,000,000

2.    建物

7,000,000

    建設仮勘定

2,000,000

    当座預金

5,000,000

●参考

1. 建物の建築を依頼して、建物の完成前に代金を支払った場合は、建設仮勘定の借方に、その金額を記入します。

2. 建物が完成し、引渡しを受けたなら、資産の増加となり建物勘定の借方に記入します。建設仮勘定の記入があれば、貸方にその分を記入して減少(消滅)させます。

【問題】    解答例

次の取引の仕訳をしてください。

1.
(A)平成2年9月15日に第一建設に営業所の新築を¥14,000,000で依頼し、契約を交わした。この請負代金の一部¥4,000,000を小切手を振出して支払った。

(B)平成3年3月1日に、上記建物が完成し、代金の残額を小切手を振出して支払い、引渡しを受けた。

(C)平成3年3月31日、決算にあたり、上記の建物について、定率法で減価償却を行い記帳は、間接法で行った。(償却率0,12、減価償却費は月割り計算、決算は年一回)

2.
(A)工場の新築を第二建設に¥10,000,000で請け負わせ、代金の一部¥3,000,000を小切手を振出して支払った。

(B)上記の工事代金の一部2,000,000を小切手を振出して支払った。

(C)工場が完成し、引渡しを受け、代金のうち¥1,000,000を現金で支払い、残額は月末に支払うことにした。

3. 株式会社第三商店(決算年一回、3月末)は、平成6年4月15日に取得した商用車(取得原価¥2,000,000)を平成8年3月10日に売却し、代金¥300,000を小切手で受け取った。なお、この商用車は、耐用年数5年、定率法(償却率0,369)によって償却し、間接法で記帳している。

4. 決算期末に第四商店に対し、機械を売却し、代わりに同店から新型の機械を買入した。購入代金は、¥2,000,000で旧機械の売却代金¥700,000を差し引いた残額は、来月末に支払うことにした。なお、旧機械の取得原価は、¥1,000,000で、減価償却は当期末まで2年間にわたって定率法(償却率20%)により間接法で行われてきた。

5. 平成10年8月1日に購入した機械を、平成12年7月末日に売却、売却代金¥1,200,000を小切手で受け取り、直ちに当座預金とした。
(機械の取得原価¥2,000,000、耐用年数5年、残存価格は取得原価の10%、償却方法は定額法、間接法により減価償却を計上、決算毎年6月末、)

 

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