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株式会社会計4 繰延資産 創立費・開業費 会社を設立するためには、経費がかかります。発起人に対する報酬、登記費用、株式発行費用、創立事務費などです。このような会社創立に直接必要となる費用が創立費です。また創立しても開業までには、いろいろ準備の費用がかかります。この費用が開業費です。 【例】 1. 会社設立にさいし、株式の発行費用¥500,000を現金で支払った。 2. 決算にさいし、上記の費用の5分の1を償却した。 (仕訳)
●参考 1. 会社設立のための株式発行費用は、創立費勘定を用います。 2. 創立費を償却する場合、創立費償却勘定(費用)を設けをその借方に記入します。貸方は、創立費(繰延資産)の減少なので、この勘定の貸方にその額を記入します。
新株発行費 現在会社として事業を営んでいる会社が、新たに新株を発行する場合に要する費用を、新株発行費と呼びます。この新株発行費も創業費・開業費と同様に繰延資産で、商法では、支出後3年で償却することとしています。 【例】 1. 新たに株式を発行し、この費用¥1,500,000を小切手を振出して支払った。 2. 決算に際し、上記の費用のうち¥500,000を償却した。 (仕訳)
●参考 1. 新株式を発行したときに要する費用は、新株発行費勘定(繰延資産)の借方に記入します。この仕訳は、新株式発行の仕訳と一緒に出題される場合が多いです。 2. 新株発行費を償却する場合は、新株発行費償却勘定(費用)を設けその借方に記入します。貸方は、新株発行費(繰延資産)の減少なので、この勘定の貸方にその金額を記入します。
社債発行費 社債発行のために要した費用(社債券の印刷費、目論見書、登録費用など)を支出した場合は、社債発行費勘定(繰延資産)を設けて記入します。この社債発行費は、商法では、支出後3年内に、ただし3年内に社債償還期限が来た時は、その期限内に毎決算時に均等額以上の償却をするように定めています。 【例】 1. 社債発行のための諸費用¥1,800,000を小切手を振出して支払った。 2. 決算にさいし、上記の費用のうち¥600,000を償却した。 (仕訳)
●参考 1. 社債発行のために要した諸費用は、社債発行費勘定(繰延資産)を設けその借方に記入します。 2. 決算にさいし、社債発行費を償却する場合は、社債発行費償却勘定(費用)を設けてその借方に記入します。貸方は、社債発行費(繰延資産)の減少なのでこの勘定の貸方に¥600,000を記入します。
社債発行差金 日本では、社債の発行はほとんど割引発行です。社債額面と発行価額の差額は、社債発行差金勘定(繰延資産)を設けてその勘定の借方に記入して処理します。 【例】 1. 額面¥80,000,000の社債を¥100につき¥99で発行、償還期限5年後、年利率5%、利払日3月と9月の末日の条件で発行した。発行によって得た資金は当座預金とした。 2. 決算において、上記の社債のついて発行差金の5分の1を償却した。 (仕訳)
●参考 1.発行価額の計算:¥80,000,000×0,99=¥79,200,000 2. 社債発行差金を償却したとき、その償却額は、社債発行差金償却勘定(費用)の借方と社債発行差金勘定(繰延資産)の貸方に記入します。 |